おちゃらけミクロ経済学: ミクロ経済学とマクロ経済学の違い その2

2014年3月12日水曜日

ミクロ経済学とマクロ経済学の違い その2

「全体と部分の関係」と「長期成長」



前回に引き続きミクロ経済学とマクロ経済学の違いを考えていきましょう。
今回は、「全体と部分の関係」と「長期成長に対する考え方」についてです。




John Maynard Keynes Blogging, after Duncan Grant / Mike Licht, NotionsCapital.com




全体と部分の関係



ミクロ経済学とマクロ経済学の違い(全体と部分の関係)





まず、ミクロ経済学で正しいからそれを積み重ねっていっても、
必ずしもそれが正しいこととは限りません。



部分(ミクロ)が正しくても、全体(マクロ)では、間違ってしまうことがあります。
これを「倹約のパラドックス」という言葉で表すことができます。



〔倹約のパラドックス〕


1.経済が縮小

2.家計や企業は消費を抑制

3.企業の業績は悪化

4.従業員の解雇

5.経済がさらに縮小

(以下同じことの繰り返し…)


ちなみに、「倹約のパラドックス」の逆バージョンとして
「貯蓄のパラドックス」というのもあります。これは部分(ミクロ)は間違っていても、
全体(マクロ)で見ると正しいという例えを表しています。



〔貯蓄のパラドックス〕


1.経済が拡大

2.家計や企業は消費を拡大

3.企業の業績が好調

4.新たな従業員の雇い入れ

5.経済がさらに拡大

(以下同じことの繰り返し…)


〔参考サイト〕

証券投資用語辞典 倹約のパラドックスとは


長期成長に対する考え



ミクロ経済学とマクロ経済学の違い(長期成長に対する考え方)





〔ミクロ経済学〕



経済で生産できる産出量を一定としているため、
長期成長は考慮に入れていない。限られた希少な資源を
いかに効率的に利用するかという問題を考える。



例えば、JR各社は管轄地域のの鉄道輸送量を一定として、
線路や車両を効率的に利用するためには、
運賃をいくらにすべきかという問題を考えます。


〔マクロ経済学〕



社会全体がより高い成長率や高い生活水準を達成するために、
必要な資源の総量をどうしたら増やせるのかを考える。



具体的には必要な資源の総量を増やすためには、
インフラストラクチャー(輸送設備、電気通信など)や
人的資本(教育、労働人口の増大)の整備を行います。

(つづく)
















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