おちゃらけミクロ経済学: 限界収穫逓増
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2012年11月6日火曜日

限界費用逓増の法則と微分 おまけ

世にも恐ろしい(?)微分のお話





「限界費用逓増の法則と微分」シリーズでは、
ミクロ経済学における、限界を話題にしてきました。
今回は、スピンアウトして、その微分について、お話をしたいと思います。


一部世間で、微分は恐れられているようです。
ですが、この記事をご覧になった皆さんは、この記事を読み終わるまで、
決して他のページに、飛ばないでください(笑)





ハロウィン

07 / misawakatsutoshi





微分を英訳さらに和訳





微分という日本語を英語に翻訳し、もう一度日本語に直訳してみましょう。
すると、〈微分→differential→「差」・「違い」〉ということになります。
ここから転じて、「微分する」とは、「差をとって変化を見る」ということになります。




数学よりに説明すると、「微分する」とは、「差分をとって変化率を測る」ことです。
微分にかんする計算式を見ていると、よく「⊿y」、「dx/dy」、などの記号が、見られます。




個人的には、ついこの間まで、どちらも「微分する」と言う意味で、同じ意味だと考えてました。
しかし、実は両者の意味は、異なります(数学関係者の皆さま、すみません)。



【意味】


  • 「⊿y」→「差分をとる」
  • 「dx/dy」→「(微小な)変化率を測る」



【由来】


  • 「⊿y」→ギリシャ文字のデルタ。英語で言う「d(ディー)」
  • 「dx/dy」→differentialの頭文字。




微分の数式では、ギリシャ文字と英語のアルファベットを使い分けられています。
「差分」と「変化率」では、意味が異なるため、違う文字が当てられています。





微分と限界概念を学習する意味





ご多分にもれず(?)、管理人も高校時代、数学で「微分」を学習する意味が、よく分かりませんでした。
当時は、「⊿y」、「dx/dy」という文字が出てきた時点で、頭の中が、「アウト」でした。
もしくは、自分にとっては、守備範囲外だということで、自主的に「ファウルボール」にしてました(笑)





審判アウト?ファウル

うーん、あれはアウト?ファウル? / Ryosuke Yagi





しかし、ミクロ経済学で、限界費用をという用語に出会い、、





  • 限界費用→「1単位あたりの追加的費用」
  • 限界→「追加的な変化率」
  • 微分→「(微小な)変化率」
  • 微分=限界




ということを理解してからは、高校時代に学習した、
微分のありがたさ(?)に気づきました。そのときは、すでに30を越してましたが(笑)。



限界費用の増加(変化率の増加)


限界費用の増加(変化率の増加)







  • 「もうすぐ英語と数学の試験だ。でもあと1時間しか勉強時間がない。このときどちらの科目に、1時間を費やした方がいい点を取れるか?」
  • 「今、手元に500円玉を持っている。吉牛に行くべきか?マクド(マック)に行くべきか?どちらの方が満足度が大きくなるか?」




どちらも、ある一定の費用(この場合時間とお金)を、追加的に支払った場合、
どれぐらいの効用(良い点数、満腹感)が、得られるかについて考えています。



ちょっとした日常生活のの選択を考えるだけでも、すでにあなたは微分しています
ミクロ経済学って、懐が深い学問だと思います。
(限界費用逓増の法則と微分おわり)




参考文献:
畑村洋太郎「直感でわかる微分・積分」岩波書店


畑村洋太郎「直感でわかる微分・積分」岩波書店


高橋 一雄 「数IA・IIB・IIICがこの1冊でいっきにわかる もう一度 高校数学」







2012年11月2日金曜日

限界費用逓増の法則と微分 その5


総費用曲線と限界費用曲線の比較




前回からのブログを整理してみましょう。
限界費用逓増の法則と微分 その1で登場させたグラフを、
「より丁寧に」観察してみましょう。



両者では、線形もかなり異なりますが、実は、座標の縦軸名も異なります。




総費用の増加














【縦軸名】

  • その1の縦軸名→総費用
  • その2の縦軸名→限界費用(追加的に1個をつくるための費用)



【特徴】

  • その1の縦軸名→「費用そのもの」が上昇。
  • その2の縦軸名→「費用の変化率」が上昇。



その1のグラフでは、生産単位が大きくなるにつれ、
全体の費用(総費用)が大きくなることを表します。



それに対し、その2のグラフでは、費用の変化率が上昇し、
生産単位が大きくなればなるほど、費用の増加率が高くなる、という状態を表しています。



総費用と限界費用を並べる理由




製パン会社もそうですが、企業活動においては、必ず、(収益-費用)について考えます。
赤字にせよ、黒字にせよ、一定期間において、利潤を計算する必要があるからです。



その一定期間において、生産や販売を開始をした当初は、
収益は増加しても、「費用の増分」は、低くなる傾向があります。
(ただし、費用について投資費用や機会費用は除く)



しかし、生産単位が次第に大きくなるにつれ、収益が増加しても、
むしろ費用の増分の方が、高くなります。



同じ生産量でも、費用が増加するということは、裏を返すと、
同じ費用を投入しても、生産量は減少していくことを表します。
これを限界収穫逓減の法則と言います



もちろん、生産単位が大きくなると、収益が増加しないということではありません
要は「のびしろが縮んでいく、という発想です。



限界収穫逓減の法則とその具体例




限界収穫逓減の法則について、具体的な例をあげれば、キリがないほど、挙げられます。
世の中に存在している一般の財・サービスの生産について、概ね「限界収穫逓減の法則」が、
適用できます。具体例は、以下の通りです


  • 食パン
  • 液晶テレビ
  • 自動車
  • コンピュータソフトウェア




生産単位を増やそうとすればするほど、既存の資源においては、収穫をあげることは、
難しくなっていきます。




限界収穫逓増の法則と教育サービス




逆に、限界収穫逓増の法則が適用できる財・サービスは、あるのでしょうか?
他の参考文献を確認していないので、全くの個人的見解でになりますが、
管理人は、教育サービスなどが、この法則を適用できると考えます。





パソコン分解に見入る子どもたち

パソコン分解に見入る子どもたち / chiaki0808




例えば、「自動車教習」を例にとってみましょう。
最初は、交通法規や標識に関する認識、自動車運転の技能習得まで、
覚えることは山ほどあります。しかも最初のうちは、公道にも出れませんし、
仮免許をとっても、助手席には、同乗者を必ずつける必要があります。
時間もお金も結構なコストが、かかります。





北豊島園自動車教習所 / ko-



しかし、自動車免許を取得すれば、一人で公道を運転することができます。
自動車運転による「移動の効用」を得ることができます。
しかも、運転経験を積めば積むほど、安いコストで運転技能が上がり、
「自動車移動による効用」が増加します。



よく、資源のない国は政策として教育にコストをかける、というお話を聞きますが、
単なる一般論としてではなく、ミクロ経済学的にも、考慮に値することだと思います。
(つづく)






2012年10月31日水曜日

限界費用逓増の法則と微分 その4


本当は言いたくなかった「限界」の話



当ブログは、ここ3回くらい、2つの異なる線形をしたグラフに基づいて、お話を展開しています。
限界費用逓増の法則と微分 その1 限界費用逓増の法則と微分 その2 
限界費用逓増の法則と微分 その3


パン屋さんの費用曲線その1





パン屋さんの費用曲線その1



パン屋さんの費用曲線その2




パン屋さんの費用曲線その2



ですが、上の2つのグラフは、実はわざと、不親切な書き方をしています(笑)





「限界」の本当の意味とは?




縦軸の項目名にご注目ください。
それぞれ、単に「費用」と書き、非常にあいまいな言い方をしています。




本当は、その1の縦軸には、総費用
その2には、1個あたりの追加的費用という言葉が入ります。
ミクロ経済学では、この1個あたりの追加的費用のことを、限界費用といいます。



縦軸名が入ったパン屋さんの費用曲線その1






縦軸名が入ったパン屋さんの費用曲線その1




縦軸名が入ったパン屋さんの費用曲線その2



縦軸名が入ったパン屋さんの費用曲線その2






経済学関連の本を読んでいると、限界という言葉が、しょっちゅう出てきます。
限界という言葉は、本文のタイトルにも使ってます。他には、こんなものがあります。


  • 限界収穫逓減
  • 限界収穫逓増
  • 限界効用逓減
  • 限界効用逓増



これらは、漢字ばっかりですが、ホトケさんの戒名ではありません(笑)
限界という部分は、追加的な変化のという言葉に置き換えて、差し支えありません。




一つ目の限界収穫逓減とは、追加的に変化すると生産量は次第に少なくなる、
という意味です。(くわしくは、また機会があれば説明します)



経済学に限らず専門用語は、ただやみくもに、暗記することに意味はありません。
大正時代から昭和30年代に、東京大学で教鞭をとられた、ある高名な民法学者の先生も、
こうおっしゃてます。



"法律を学ぶには、暗記しないで、理解しなければならない"
我妻榮「民法案内1~私法の道しるべ」勁草書房P1



ですが、限界は、結構便利な概念なんで、この際ルールは無視して、
そのまま覚えてしまいましょう。我妻先生、ごめんなさいm(。・ε・。)mスイマソ-ン



やっと出てきた微分と「限界」の関係




ちなみに、高等学校などで習う、微分は、追加的な変化率を表現するための一つの方法と
考えられます。管理人も、高校を卒業して、十何年もしてから気づきました(泣)




微分を習う高校生

[高校生ー広島駅] MOV02302 / xsix



微分と同様、限界の概念は、慣れていないうちは、理解するのが難しいと思います。
(管理人の説明が下手なだけかもしれませんが)
ですので別の機会(リンクおまけ)を設けて、別の観点から、限界概念を考えてみましょう。
(つづく)