人びとの好みと生産のバランスについて
これら3つのブログでは、経済全体が効率的であるための基準を述べました。
経済全体が効率的であるためには、次の3つの基準が必要です。
- 消費について効率的
- 生産について効率的
- 産出水準について効率的
このうち3つめの産出水準について効率的というのは、
少し説明を要するので、少しスペースを割いて考えていきましょう。
i-photo 2012年最後のパンを焼く / midorisyu
産出水準の効率性~意味と例
【意味】
他の人びとの状態を悪くすることなく、ある人の状態が良くなるような異なる生産の
組み合わせが存在しない状態のこと
【例】
「朝ごはんのための主食市場」
当初、人びとは週7日のうち、5日が米食で、2日がパン食だったため、
以下のような産出水準でした。
米食は週5日でパン食は週2日の産出水準
ところが、人びとの好みが変化し、週7日のうち、米食は週2日、パン食は週5日
となり、以下のような産出水準に変化しました。
米食は週2日でパン食は週5日の産出水準
A点もB点も生産については効率的です。しかし人々の好みが変化した後、
元のA点では、産出水準では非効率であると言えます。
価格や所有権の機能が必要
「朝ごはんのための主食市場」では、人びとの好みが変化したからという理由で、
生産の組み合わせが変化しました。都合良く、変化しているように見えますが、
- 経済シグナルとしての価格
- 所有権の確立
など完全競争市場に必要な条件が確立していると、
産出水準に関して、効率的な状態が発生します。
(つづく)
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