おちゃらけミクロ経済学: 公平性と効用可能性フロンティア その1

2013年9月12日木曜日

公平性と効用可能性フロンティア その1

追求するのは効率性だけではありません



日常の会話で、よく使われる言葉に公平性というものがあります。


  • 「このケーキは10人に公平に分けよう」
  • 「草むしりにの受け持ち区域の広さは各人が公平になるようにする」


ですが、この公平性という言葉は、ミクロ経済学の教科書でもよく登場し、
効率性と対をなす概念です。




効率性
Cutting-Birthday-Cake_Chocolate-Vanilla-Cream__25148 / Public Domain Photos






効率性⇔公平性





効率性とは、計画経済によく見られる「●●●中央委員会」とか、「△△△整備機構」のような
中央集権化された組織によらずとも、資源の配分について、
社会のすみずみにまで、希少な資源が行きわたることを指します。



しかしながら、その効率性とは方法を示すものであって、
目標そのものを示すことではありません。



例えば、土地の所有権に関して南側の住人と北側の住人に
配分する問題を考えてみましょう。



土地の広さには有限性がありますが、南側の住人と北側の住人に
配分する面積の組み合わせは、必ずしも一つとは限らず無数に存在します。
従って、この南北住民への土地配分は、次の作図のように表現できます。



南北住民への土地配分の組み合わせ






効用可能性フロンティアとは





この作図は、効用可能性フロンティアと呼ばれるものです。
経済の資源を一定なものとして、あるグループがどれだけ満足を得ることが
可能かを表現しています。この効用可能性フロンティア上では、どの点も効率的です。



しかし、経済の効率性を基準にしているだけでは、組み合わせは
無数に存在し、どれが「正しい」組み合わせであるかは、全く分かりません。
そこで登場するのが公平性という概念です。



土地配分の公正性












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