寡占のもっとも単純なケース複占について
独占市場であれ、完全競争市場であれ、企業活動の最大の目的は、
利潤を最大化することです。しかも、その利潤を最大化させるための生産量は、
どちらの市場でも「目安」が存在し、「最適生産量ルール」と呼ばれています。
しかし、寡占の場合では、企業が「最適生産量ルール」に従って、
生産量を決定しても、 強調太字 必ずしも利潤最大化されるとは限りません。
ルールに従っても利潤が最大化できない状態は、人びとを悩ませ、
ここから共謀、カルテル、ゲーム理論、囚人のジレンマなどの、
有名な各概念が発達していきます。
Coco cola standing / koalazymonkey
複占企業とは?
では、なぜそのような「難問」が発生するのでしょうか?その発生する理由を、
寡占のもっとも単純なケースである複占を理解することで、求めることができます。
複占とは市場に2社の企業しか存在しない寡占のことを指し、それぞれを複占企業と呼びます。
例えば複占企業が、ある町のコーラの製造・販売業を担っているとしましょう。
その町でのコーラの需要表は、次のとおりです。
コーラの需要表
複占企業の行動
実際にコーラを製造・販売するためには、固定費用としてのは工場・機械設備・人件費や
変動費用としての水・炭酸・原液・砂糖などが必要です。
上の需要表はその各種費用の中でも、1単位当たりの追加費用は0として考えています。
少々、荒削りですが、最初の設備投資さえしてしまえば、コーラ1杯を追加で生産するのは、
「タダみたいなもん」として考えます。
そうすると、いくらつくってもタダなので、価格が0を上回る限り、
複占企業は、コーラを製造販売しつづけます。この例でいえば
コーラの総生産量が、60,000ℓになるまで、生産活動が続きます。
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