おちゃらけミクロ経済学: その広告、役に立つの? その1

2014年2月12日水曜日

その広告、役に立つの? その1

実は賛否両論がある広告活動




独占的競争企業は、差別化された製品を生産するので、、
それぞれの企業は自社の製品に顧客を引き付けるために広告を行います。
ただし広告を行うことについては、経済学者の間で、昔から賛否両論の論争があります。



そこでしばらくは、「その広告、役に立つの? その1」と
銘打って広告の是非や役割について考えていきましょう。





Advertising / Wrote





批判的な意見と支持する意見





広告に批判的な人々からは次のような声が上がります。



  • 企業が広告を使って情報提供ではなく心理操作をし、潜在的な欲望を呼び起こす
  • 広告が製品を実物よりもより良いものに伝えようとするので、かえって競争を阻害する




一方、広告を支持する人たちの意見にはこんなものがあります。




  • 企業は広告を用いることによって、価格・新製品の発売・販売店などの情報を伝える
  • 広告による情報提供で社会に対し、資源をより効率的に配分できる
  • 広告は顧客を引きつけ、新たな企業を市場に参入させやすくする



広告が低価格を実現する事例




管理人自身、プロの経済学者ではありませんので、なんらかの根拠をもって
支持・不支持のいずれかの立場を取ることはできません。



ただし、次にあげるメガネに関する事例を見る限り、 広告は競争を
促進し、消費者に低価格をもたらす
ことが分かります。



1960年代のアメリカでは、いくつかの州ではメガネと検眼の広告が
各州法で禁止されていました。そこでリー・ベンハムという経済
各州法の違いに着目して、メガネの価格と、広告に関する一般的見解を示しました。


"広告を禁止した州では、眼鏡の平均価格は33ドルであった。(中略)一方、しなかった州では、平均価格は26ドルであった。このように広告は平均価格を20%以上も下落させた。眼鏡の市場や、またおそらく他の多くの市場でも、広告は競争を促進し、消費者に低価格をもたらすのである。"


(P509 「マンキュー経済学第2版Ⅰミクロ版」第17章独占的競争)


(つづく)


【参考文献】


マンキュー経済学〈1〉ミクロ編














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