「イメージ重視」のCMは資源の無駄遣いか?
「その広告、役に立つの?」と銘打ったシリーズ第2回目は、
シグナルとしての広告の役割を考えてみましょう。
今回は、企業の広告活動が合理的なのか、資源の無駄遣いか判断するのは、
結構難しい問題であるということについて、事例で説明していきます。
例えば、YouTube動画でCM動画を検索していると、大きく次の2種類の
広告に分類できます。1つは「情報提供型」でもう一つは「イメージ型」です。
NTT東日本 広告 / k14
「情報提供」のヨドバシ、「イメージ」のペプシ
「情報提供型」のCMで目に付いたのが、このヨドバシカメラのCM。、
商品のラインナップやアフターサービスなど消費者が家電製品を購入するための
情報提供を行っていることが分かります。
ヨドバシカメラ TVCM 2011年8月~9月
一方、(ちょっと古いけど)このペプシコーラのCMは、「イメージ型」といえるでしょう。
特にコーラを飲むための作法を教えている訳でもなく、イチローが飲むペプシコーラを
買って飲めば、なんだかとってもさわやかな気分になれそうです。
イチロー ペプシコーラ CM 2002
「イメージ」は間接的な「情報提供」
ヨドバシカメラのCMは、情報提供色が強いため、何のためのCMか分かりやすいでしょう。
またCMを見ることで店まで行って家電製品を購入するかどうか、意思決定ができそうです。
一方、ペプシのCMを見ていると、「イチローのかっこよさ」に、
「惑わされて」買ってしまいそう、と言えなくもないですね
(この「惑わされて」というところが、前回の広告批判論につながるんですが)
ただ、ペプシのCMに引きつけられる消費者が、全く非合理かと言えばそうではありません。
おそらくコーラの消費者の大半は、ペプシコーラの製品情報を十分に持っていないでしょう。
そこで、ペプシは「メジャーなスポーツ選手に、高額の報酬を支払うことできる」会社
であることを消費者にアピールします。
するとその広告を受け取った消費者は、
「間接的」にその製品は質が良い、という情報を受け取ることになります。
(つづく)
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