それなりにもうかるけど超過利潤は出ないよ
前回(リンク)独占的競争市場に、「フツーの会社」が地道に汗臭い作業を経て、
製品差別化をする理由について、図を描いて、他の市場構造と比較することで
求めようとしました。
完全競争市場の需要曲線と限界収入
独占市場の需要曲線と限界収入
独占的競争市場の需要曲線と限界収入
これらを見ると、見た目の感じとして、次のような疑問が思いつきますね~。
- 完全競争市場と、独占市場・独占的競争市場は線の傾きからして違う!
- 独占市場と独占的競争市場は、同一なのか?
完全競争市場と、独占市場・独占的競争市場は線の傾きからして違う!
まあ、これは独占市場・独占的競争市場が、どうやらこうやらというよりは、
完全競争市場のお約束ごとですね。
- 販売価格(需要曲線)と限界収入は常に等しい
- いくら生産しようが、市場価格(限界収入)は全く同じ
市場で売れる価格と、もう一個余計に売って追加的に得られる収入の
差がゼロなので、利潤は全く出ません。
(といっても会計的に粗利益や営業利益が出ないというわけではない)
それに対して、独占市場・独占的競争市場は、作れば作るほど、
販売価格と限界収入の差が広くなるのでそれだけ利潤も出て、
「おいしい商売」とも言えます。
独占市場と独占的競争市場は、同一なのか?
う~ん。これらを見た限り、両者はおんなじですね。
ただし、「短期的には」という条件が付きです。
「長期的には」独占的競争市場では、販売価格(需要曲線)と限界収入が、
移動するので、両者は同一ではありません。
需要曲線が右シフト(利潤が多い場合)
需要曲線が左シフト(利潤が少ない場合)
独占的市場では、独占市場のように参入企業が、固定されているわけではありません。
長期的に見れば、利潤の多寡によって、企業が参入したり、退出したりするので、
独占的競争市場の企業は、「独占利潤のない独占企業」のようになります。
で、タイトルにある「フツーの企業はもうかるか?」ということです。
まあ、独占利潤が出てウハウハもうかるということはないと思いますが、
やり方次第で、粗利や営業利益は、それなりに出ることは、
可能なんではないでしょうか?そんな結論になります。
(『フツーの企業」はもうかるか? 独占的競争の利潤』シリーズおわり)
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