独占的競争企業→独占利潤の出ない独占企業
前回、独占的競争市場において、長期的に自由参入と自由退出が
発生することを説明しました。図で表すとこんな感じです。
需要曲線が右シフト(利潤が多い場合)
需要曲線が左シフト(利潤が少ない場合)
図の需要曲線と限界収入が動いているのは、その独占的競争市場において、
- 利潤が得られるとき→参入企業が増える→曲線が右シフトする
- 損失を被っているとき→既存の企業が退出する→曲線が左シフトする
という理由があるためです。
Tsukiji Market / blprnt_van
利潤や損失が発生していても長期では均衡する
市場全体の利潤や損失で需要曲線や限界収入が、左右にシフトするわけですが、
最終的には、需要曲線が平均総費用のある一点に接することになります。
独占的競争市場の均衡
この状態が独占的競争市場における、均衡となります。
「そこそこ儲かる」の意味
この様子は、「独占利潤の出ない独占状態」とも呼ばれます。
確かに販売すればするほど、販売するほど、販売価格(需要曲線)と限界収入の
乖離がすすむため、独占利潤を得ているように見えます。
しかし、その販売価格は平均総費用と等しいため、利潤は発生しません。
もっとも、販売価格と平均総費用が出ていないからといって、
個別の企業で会計上の粗利益や営業利益が出ていないかといえば、
そうではありません。
ここでいう利潤とは、細かくいうと、超過利潤のことです。
使い方は、企業によって様々ですが
従業員に通常より多くの賃金を支払ったり、株主によりたくさんの
配当を行うための原資となったりするものです。
独占市場における企業が「儲かっている」ように見えるのは、
こういった超過利潤が発生するためです。
独占的競争市場が、「そこそこ儲けることができる」のは、
独占利潤は発生しないものの、均衡によって、企業が市場に出入りするためです。
「「フツーの会社」がそこそこ儲かる理由 独占的競争市場の均衡」シリーズ終わり)
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