おちゃらけミクロ経済学: 広告
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2014年2月20日木曜日

その広告、役に立つの? その3

ブランドネームも商品差別化の戦略



前回の記事では広告が消費者に対して、
「間接的な」情報提供を行うことを説明しました。



同じようなことがファーストフード店が持つブランドネームにも当てはまります。
ブランドネームもやはり「間接的な」情報提供を行います。


例えば、あなたが下のようなショッピングセンターに立ち寄り、
お腹がすいたので食事をしたいときのことを考えてみましょう。


イオン近江八幡ショッピングセンター






ブランドネームが伝える情報とは?




しかし、あなたは特にこのショッピングセンターについて詳しいわけでもなく、
特に食事のメニューについて希望があるわけではありません。
こういうときに頼りになるのがブランドネームです。


【HD】2013/01/18 ON AIR CM (30s) No.005 マクドナルド/朝マック







もしあなたがこのようなCMの情報を受け取っていればマクドナルドという
ブランドネーム自体に食事の価値を見出し、自ら店に行きつくことになります。
よく見ると、赤線で囲ったところにマクドナルドがありますね。







ブランドネームの負の側面




ショッピングセンターにおけるマクドナルドの例は、
ブランドネームが持つ正の側面を表していますが、
ブランドネームは一方で負の側面も持ちます。



ここらへんも広告がもつ賛否両論と非常によく似ています。
反対論がもつ意見としては、次のとおり。


  • ブランドネームは正当化できないほど強い市場支配力を作り出す
  • 同じ内容でもノーブランドの商品よりも高く売られている
  • ブランドネームは消費者の非合理的な心理を操作している。



(「その広告、役に立つの?」シリーズ終わり)




















2014年2月13日木曜日

その広告、役に立つの? その2

「イメージ重視」のCMは資源の無駄遣いか?



「その広告、役に立つの?」と銘打ったシリーズ第2回目は、
シグナルとしての広告の役割を考えてみましょう。



今回は、企業の広告活動が合理的なのか、資源の無駄遣いか判断するのは、
結構難しい問題であるということについて、事例で説明していきます。



例えば、YouTube動画でCM動画を検索していると、大きく次の2種類の
広告に分類できます。1つは「情報提供型」でもう一つは「イメージ型」です。





NTT東日本 広告 / k14





「情報提供」のヨドバシ、「イメージ」のペプシ




「情報提供型」のCMで目に付いたのが、このヨドバシカメラのCM。、
商品のラインナップやアフターサービスなど消費者が家電製品を購入するための
情報提供を行っていることが分かります。


ヨドバシカメラ TVCM 2011年8月~9月









一方、(ちょっと古いけど)このペプシコーラのCMは、「イメージ型」といえるでしょう。
特にコーラを飲むための作法を教えている訳でもなく、イチローが飲むペプシコーラを
買って飲めば、なんだかとってもさわやかな気分になれそうです。


イチロー ペプシコーラ CM 2002







「イメージ」は間接的な「情報提供」




ヨドバシカメラのCMは、情報提供色が強いため、何のためのCMか分かりやすいでしょう。
またCMを見ることで店まで行って家電製品を購入するかどうか、意思決定ができそうです。



一方、ペプシのCMを見ていると、「イチローのかっこよさ」に、
「惑わされて」買ってしまいそう、と言えなくもないですね
(この「惑わされて」というところが、前回の広告批判論につながるんですが)



ただ、ペプシのCMに引きつけられる消費者が、全く非合理かと言えばそうではありません。
おそらくコーラの消費者の大半は、ペプシコーラの製品情報を十分に持っていないでしょう。



そこで、ペプシは「メジャーなスポーツ選手に、高額の報酬を支払うことできる」会社
であることを消費者にアピール
します。



するとその広告を受け取った消費者は、
「間接的」にその製品は質が良い、という情報を受け取ることになります。


(つづく)







2014年2月12日水曜日

その広告、役に立つの? その1

実は賛否両論がある広告活動




独占的競争企業は、差別化された製品を生産するので、、
それぞれの企業は自社の製品に顧客を引き付けるために広告を行います。
ただし広告を行うことについては、経済学者の間で、昔から賛否両論の論争があります。



そこでしばらくは、「その広告、役に立つの? その1」と
銘打って広告の是非や役割について考えていきましょう。





Advertising / Wrote





批判的な意見と支持する意見





広告に批判的な人々からは次のような声が上がります。



  • 企業が広告を使って情報提供ではなく心理操作をし、潜在的な欲望を呼び起こす
  • 広告が製品を実物よりもより良いものに伝えようとするので、かえって競争を阻害する




一方、広告を支持する人たちの意見にはこんなものがあります。




  • 企業は広告を用いることによって、価格・新製品の発売・販売店などの情報を伝える
  • 広告による情報提供で社会に対し、資源をより効率的に配分できる
  • 広告は顧客を引きつけ、新たな企業を市場に参入させやすくする



広告が低価格を実現する事例




管理人自身、プロの経済学者ではありませんので、なんらかの根拠をもって
支持・不支持のいずれかの立場を取ることはできません。



ただし、次にあげるメガネに関する事例を見る限り、 広告は競争を
促進し、消費者に低価格をもたらす
ことが分かります。



1960年代のアメリカでは、いくつかの州ではメガネと検眼の広告が
各州法で禁止されていました。そこでリー・ベンハムという経済
各州法の違いに着目して、メガネの価格と、広告に関する一般的見解を示しました。


"広告を禁止した州では、眼鏡の平均価格は33ドルであった。(中略)一方、しなかった州では、平均価格は26ドルであった。このように広告は平均価格を20%以上も下落させた。眼鏡の市場や、またおそらく他の多くの市場でも、広告は競争を促進し、消費者に低価格をもたらすのである。"


(P509 「マンキュー経済学第2版Ⅰミクロ版」第17章独占的競争)


(つづく)


【参考文献】


マンキュー経済学〈1〉ミクロ編














2014年1月31日金曜日

企業と広告 独占的競争と完全競争の比較 その2

広告を出す企業と広告を出さない企業の違い




さて、前回の記事では、以下のコーラのCM(2本)と牛乳のCM(1本)では、
ミクロ経済学的に何が違うのか?という問いかけを行ってみました。







先に結論を言ってしまうと、こんなところです。


コーラのCMはそれぞれ民間企業が自社の費用として独自に作成している。
一方牛乳のCMは、社団法人中央酪農会議という酪農家の共同組織が作成して、
個々の酪農家が作成しているわけではない。つまり広告を出す主体が異なる。




Milk-Tasting Time / Joe Shlabotnik





広告への態度は市場構造の違いから生まれる





それでは、なぜこんな差が生じるのでしょうか?
それはコーラと牛乳の市場構造の違いから生じるためです。


コーラの市場構造(独占的競争の長期均衡)






牛乳の市場構造(完全競争の長期均衡)







2つの図で見るべきポイントは、限界収入と限界費用が交わる点です。
独占的競争市場であろうと完全競争市場であろうと、
生産量(販売量)は、限界収入と限界費用が交わる点で決まり、
価格はその生産量(販売量)によって決まります。




牛乳の広告は共同組織だけがまとめて出す





ただし独占的競争市場では、販売価格(需要曲線)は、
すでに限界収入を上回っているます。



提示した価格で追加的に販売できると、限界費用を上回る収入の増加が得られます。
このため、独占的競争市場にある企業は、その収入の増加を見越して積極的に
広告を出す
ことになります。



一方で完全競争市場では、販売価格は限界収入と等しく、限界費用と同じであるため
生産者が追加的に多く販売しても収入の増加は見込めません。
このため、完全競争市場にある企業は、広告を出そうとはしません。



それでも牛乳のCMは出ているじゃないかと、思われる方もいるでしょう。
しかし、これは特定の酪農家の牛乳を売るためではありません。



牛乳全体の消費底上げを狙った産業全体のCMであって、
一般社団法人中央酪農会議という共同組織としてCMを出しています。


(「企業が広告を出す理由 独占的競争と完全競争の比較 」シリーズ終わり)







2014年1月30日木曜日

企業と広告 独占的競争と完全競争の比較 その1

コーラと牛乳のCMは何が違うのか?


  • 街を歩けば看板が
  • テレビをつければCMが
  • Googleで検索すればキーワード広告が


私たちが日常生活をしていて、広告を見かけない日は、ほとんどありません。



あまりに広告があふれかえってしまっているため、
かえって広告の違いが、分かりにくくなってしまいます。



しかし、次に示すコーラCM(2本)と牛乳のCM(1本)では、
ミクロ経済学的に決定的な違いが存在します。


それはどこでしょうか?




コーラ2本と牛乳1本のCMについて



【コカ・コーラ ゼロ】 EXILE TVCM「Endless Crave」篇 60秒 Coca-Cola Zero 2013 TVCF





いいなCM pepsi NEX カバーシリーズ





3篇 牛乳に相談だ CM 2005-2007年 川島海荷 「キス」「チョーク」「ライオン」






ヒントとしては、独占的競争市場と完全競争市場の市場構造の違いがあげられます。
答えは次回のブログで!



Milk and cooky / Salim Virji




 (つづく)