独占企業は価格も数量も調整できる
完全競争市場と独占市場とでは、市場構造のタイプが異なります。
しかし、そこに存在する企業の目的は同じです。
どちらも利潤を最大化させるための行動をとります。
しかし、多数の企業が存在する完全競争市場と、1社しかいない独占市場では、
需要曲線と限界収入曲線の形状が異なります。
これらの曲線の形状が異なると、企業にもたらす利潤がかなり変わってきます。
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需要曲線と限界収入の位置関係に注目
まず需要曲線を比較してみましょう。
需要曲線の比較
完全競争市場の需要曲線
- どの企業も価格に影響を及ぼすことはできない。
- 価格はどの数量でも同じ
- 需要曲線の形状は水平
独占市場の需要曲線
- 1つの企業が価格に影響を及ぼすことができる
- 生産量を減らせば価格は上がり、増やせば価格は下がる
- 需要曲線の形状は右下がり
次に限界収入を比較してみましょう。
限界収入曲線の比較
完全競争市場の限界収入
- 限界収入曲線は常に水平
- 販売価格(需要曲線)と常に等しい
独占市場の限界収入
- 限界収入曲線は右下がり
- 限界収入曲線は、需要曲線の下に位置する
生産量効果と数量効果
このように完全競争市場と独占市場では、需要曲線と限界収入の位置関係が異なります。
それでは、上の作図のように、
独占市場の限界収入が、需要曲線の下側に位置するのはなぜでしょうか?
これは冒頭に戻りますが、独占市場では企業が、
1社しか存在しないため、生産と価格に影響力を行使することができるからです。
- 数量効果→より多くの生産物が販売されるので、総収入を増やすことができる
- 価格効果→価格が下落するので、総収入を減らすことになる
数量効果と価格効果については、文字で説明するより
作図やグラフで示した方が分かりやすいので、次回に回します。
(つづく)
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