おちゃらけミクロ経済学: 完全価格差別
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2013年7月12日金曜日

もっともうけよう!独占企業の価格差別 その3

完全価格差別は独占の非効率を打ち消す



独占企業が、完全に利潤を最大化させよするためには、完全価格差別という方法があります。
消費者に対して、支払いの意欲額に等しい額を、価格として要求すれば良いのです。




2種類の価格による価格差別






3種類の価格による価格差別






完全価格差別









実際には死荷重を打ち消していく





消費者の数だけ価格の数を設定するのは、実際には難しいことですが、
価格の設定を多くすることは、独占の非効率性を打ち消していくことになります。



2種類の価格差別のときの死荷重





3種類の価格差別のときの死荷重





完全価格差別のときの死荷重







価格差別の種類が多くなるにつれ、死荷重の面積が小さくなっていることが分かります。
「価格が高くて量が少ない」という消費者の不満を、徐々に打ち消していくことになります。



取引による総余剰は、独占企業の生産者余剰によってかっさらわれていますが、
社会全体にとっての損失は少なくなっています。つまり価格差別は社会に
効率性をもたらすというとも言えますね。





Kindle 3 / kodomut





よく使われている価格差別の例





日常生活でも価格差別はよく使われています。
次のような例が考えられるのではないでしょうか?
他にどんなものが挙げられるか、これを読んだみなさんが考えてみてください。


  • 百貨店やスーパーのご優待セール
  • ジェネリック医薬品制度
  • 航空券の早期割引制度



その1であげたハードカバーの本と電子書籍の例も同じですが、
どの例も、商品やサービスの販売を一つ増やしたからといって、
追加的な費用はほとんどかからないというところがミソです。


(「もっと独占利潤を! 価格変動について」シリーズ終わり)





2013年7月11日木曜日

もっともうけよう!独占企業の価格差別その2

価格差別を続けていくとどうなるか?



出版社D社は、さらなる独占利潤を狙って、中身は全く同じですが、
2種類の顧客層に向けて、異なる出版形式で本を販売する予定です。
このD社の行動は、ミクロ経済学で言うと、価格差別と言います。



  • 熱心な読者1万人→ハードカバーで1,500円(1部当たりの利潤が900円)
  • そう熱心でもない読者4万人→電子書籍で700円(1部当たりの利潤が100円)



それぞれのファンは、リアルな出版市場と、webの出版市場の別々に存在するので、
D社は、利潤を1,300万円(900万円+400万円)まで最大化することができます。
別の言い方をすれば、「取りこぼしがなくなる」という感じでしょうか。



出版社D社の2種類のタイプの顧客







3種類の価格差別





今回は、リアルな紙の本と電子書籍の2種類のみの単純な価格差別ですが、
もしD社が3種類の価格差別をできるようになった場合、このようになります。
さらに「取りこぼし」がなくなり、独占利潤は増加します。



3種類の価格による価格差別







無数の価格差別(完全価格差別)





もしD社がこの価格の種類をどこまでも増やしていけるとすれば、
完全に独占利潤を手に入れることができます。このことを完全価格差別
と言います。



完全価格差別






(つづく)