おちゃらけミクロ経済学: もっともうけよう!独占企業の価格差別 その1

2013年7月10日水曜日

もっともうけよう!独占企業の価格差別 その1

独占企業がさらに儲ける方法



独占利潤を得ている独占企業でもさらなる、利潤最大化を求めたいものです。
そのための方法として、死荷重を取り込んでしまうという考え方があります。



独占市場における死荷重の発生






同じ財でも顧客によって違う価格で売ってしまえば、
死荷重利潤として取り込んでしまうことができます。このことを価格差別と言います。



でも同じ財を顧客によって違う価格で販売することなんてできるのでしょうか?
それはただの差別じゃないんですか?





Kindleの持ち方 / yto





もっとも単純な2種類の価格差別






簡単な例を出してみましょう(左はリアルな本。右はKindle本)。







出版社D社のマーケティング部門は、この本について2つのタイプの顧客がいると考えています。
また、追加的に作成する費用は、1部当たり600円だとします。


  • この著者の熱心なファンの1万人の顧客。1500円までなら支払い許容額
  • それほど熱心ではないが、そこそこ安ければ買う4万人の顧客。700円までなら支払許容額


果たして、D社の利潤は900万円(900円×1万)にとどまってしまうのでしょうか?
本屋の店頭で支払い能力や意欲を、いちいち判定することなんてできないので、
400万円(100円×4万人)は、みすみす見逃してしまうのでしょうか?




紙の市場と電子書籍の市場





しかし幸いなことに、それぞれの顧客グループは、そもそも別の市場に存在します。


  • ハードカバー→リアルな紙の市場
  • AmazonのKindle→電子書籍の市場


熱心な読者は紙の本を買うことに抵抗がなく、
それほでもない読者は、Kindleを通じて電子書籍を購入します。
この状態を作図で表すと次のようになります。



出版社D社の2種類のタイプの顧客





(つづく)






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