完全価格差別は独占の非効率を打ち消す
独占企業が、完全に利潤を最大化させよするためには、完全価格差別という方法があります。
消費者に対して、支払いの意欲額に等しい額を、価格として要求すれば良いのです。
2種類の価格による価格差別
3種類の価格による価格差別
完全価格差別
実際には死荷重を打ち消していく
消費者の数だけ価格の数を設定するのは、実際には難しいことですが、
価格の設定を多くすることは、独占の非効率性を打ち消していくことになります。
2種類の価格差別のときの死荷重
3種類の価格差別のときの死荷重
完全価格差別のときの死荷重
価格差別の種類が多くなるにつれ、死荷重の面積が小さくなっていることが分かります。
「価格が高くて量が少ない」という消費者の不満を、徐々に打ち消していくことになります。
取引による総余剰は、独占企業の生産者余剰によってかっさらわれていますが、
社会全体にとっての損失は少なくなっています。つまり価格差別は社会に
効率性をもたらすというとも言えますね。
Kindle 3 / kodomut
よく使われている価格差別の例
日常生活でも価格差別はよく使われています。
次のような例が考えられるのではないでしょうか?
他にどんなものが挙げられるか、これを読んだみなさんが考えてみてください。
- 百貨店やスーパーのご優待セール
- ジェネリック医薬品制度
- 航空券の早期割引制度
その1であげたハードカバーの本と電子書籍の例も同じですが、
どの例も、商品やサービスの販売を一つ増やしたからといって、
追加的な費用はほとんどかからないというところがミソです。
(「もっと独占利潤を! 価格変動について」シリーズ終わり)
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