おちゃらけミクロ経済学: 寡占市場~囚人のジレンマ その1

2013年11月14日木曜日

寡占市場~囚人のジレンマ その1

合理的に考えると刑務所暮らしが長くなる?



ミクロ経済学を学習している方も、学習していない方も、
「囚人のジレンマ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
「囚人のジレンマ」とは、ゲーム理論のモデルの1つで、次のような特徴を持ちます。



各プレーヤーは、他のプレーヤーがどんな行動をとろうが、
裏切るインセンティブを持つ。他のプレーヤーの犠牲のもとに
自らの便益を得るような行動を取る。



各プレーヤーがともにそれぞれの便益と反する行動を取ると、
それぞれの利得は減少する。





網走刑務所博物館 / sendaiblog





自分の利得を考えて利得が減る?





その囚人のジレンマを利得表で表すと、次のような感じになります。
(テキストによっては黙秘と自白の順番が異なるかもしれないが、意味は同じです)



囚人のジレンマ






もっとも囚人のジレンマは、ゲーム理論の一種であるといいながらも、
結論は決まっています。必ず、どちらの囚人も「自白」をします。
この理由をそれぞれの囚人の立場に立って考えてみましょう。



「自白」することが支配戦略




容疑者A:

「Bが自白するか黙秘をするかはわからん。仮にヤツが自白して
オレ様が黙秘を貫いてしまったら10年の懲役をくらっちまう。
そのことを考えれば、オレ様は自白をしてしまった方が、最悪でも5年の懲役でもすむ」


容疑者B:

「Aが自白するか黙秘をするかはわからんないわ。仮に彼が自白して
アタシが黙秘を貫いてしまったら10年の懲役を言い渡されるわよ。
そのことを考えれば、アタシが自白をしてしまった方が、最悪でも5年の懲役でもすむ」



このように容疑者AとBにとって「自白」か「黙秘」かのゲームの結論は、
両者ともに「自白」ということになります。


(つづく)







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