しっぺ返し戦略が意味するところとは?
前回では、しっぺ返し戦略の利得表が登場しました。
しっぺ返し戦略とは、1回こっきりではなく、
2回以上の長期的な視点に立ったゲームだと思ってください。
ただ、2×2の利得表にまとめられることは、
1回こっきりのゲームである囚人のジレンマと同じです。
しっぺ返し戦略
しっぺ返し戦略を分析
この4つのハコからなる利得表を箇条書きにすると、4つの場合分けができます。
記事を読んでいただいた皆さんは、C社の社長の立場に立ったつもりでお読みください。
1.両社ともに「しっぺ返し」をプレー。両社は180万円の利潤を得る
しっぺ返し戦略(1)
2.P社が「常に裏切る」をプレー、C社は「しっぺ返し」をプレー。
C社は最初の年は200万円の利潤を得られるが、翌年は160万円の利潤しか得られない。
しっぺ返し戦略(2)
3.P社が「しっぺ返し」をプレー、C社は「常に裏切る」をプレー。
C社は最初の年は150万円の利潤しか得られないが、翌年は160万円の利潤を得る。
しっぺ返し戦略(3)
4.両社ともに「常に裏切る」をプレー。両社は160万円の利潤を得る
しっぺ返し戦略(4)
しっぺ返し戦略が説く教訓
これらの分析から得られる教訓とは、もし寡占企業同士が長期にわたって、
競争を行うならば、各企業は、ライバル企業を助けるために生産量を制限し、
そのライバル企業の利潤を増加させるように行動することです。
このことを暗黙の共謀と言います。
ライバル企業を助けるなどということは、一見矛盾するようにも聞こえます。
しかし、この暗黙の共謀は、まるで生産量を制限するための正式な共謀が、
あるかのごとく実現します。
Global Water Partnership Global Strategy: 2020 Vision_11 / worldwaterweek
(「寡占市場~繰り返しゲーム」シリーズおわり)
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