「嫌がれる本当の意味とは?独占≒税金
前回のブログでは、「独占は非効率である」という、いかにも普通の日本語としても
使えそうな文章を、ミクロ経済学的に解釈してみました。
結果として非効率な生産となってしまう独占市場では、
本来社会で必要とされる量の財やサービスが、供給されないということになります。
かいつまんで言うと、独占市場では、
- 「生産量が少ない」
- 「価格が高い」
という消費者にとっては、まったくありがたくない現象が発生します。
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独占市場は死荷重が発生する
このありがたくない現象は、生産者と消費者による、「有益な取引」の実現を阻害します。
このサイトでは、おなじみの用語でになった、死荷重が発生します。
死荷重というヤツは、次のように視覚的に把握することができます。
独占市場における死荷重の発生
独占による死荷重は経済全体のパイを減らす
「企業が市場を独占する」という言い回しは、いかにも「怪しからん」という感じがします。
それは、生産者が消費者から「不当に利得を搾り取っている」というイメージの
せいかもしれません。
しかし、ミクロ経済学の分析では、これが即、問題となるわけではありません。
「搾り取っている」だけでは、生産者から消費者に向かって、所得の移転が
発生しているだけ※で、経済のパイそのものを縮小させているわけではないからです。
むしろ独占市場の問題は独占企業の生産量が、
市場の総余剰を、最大化させないために生じることにあります。
独占と税金は同じようなメカニズム
さて、このシリーズのサブタイトルとして、「独占はなぜ嫌がられるか」と付けています。
なぜ嫌がられるかと言えば、独占市場で発生する死荷重が、
政府が行う課税による死荷重の発生と、同じようなメカニズムだからです。
「ぜーきん」と聞いて、「ハイ、よろこんで!」と言える方は
なかなか奇特な方でもあると思いますので。
※もちろん搾り取ることに何らかの公平性の基準が必要。
公平性の概念は、とりわけ難しい問題なので、ここでは取り扱いしません。
(「独占と死荷重~独占はなぜ嫌がられるか」 シリーズ終わり)
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