おちゃらけミクロ経済学: 独占と死荷重~独占はなぜ嫌がられるか その1

2013年7月4日木曜日

独占と死荷重~独占はなぜ嫌がられるか その1

独占利潤が「怪しからん!」理由について



一般的に「企業が独占利潤を得ている」と聞くと、
それはに続く言葉として「怪しからん!」とという言葉が続くことがあります。



では、なぜ「怪しからん!」のでしょう。
ミクロ経済学的に一言で言うと、独占は「非効率だから良くない」ということになります。



ここで言う非効率には、ミクロ経済学において、ちゃんとした定義があります。
もちろん反対語である「効率的」にも、定義がなされています。





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非効率的→独占市場、非効率的→完全競争市場





それぞれを少しかための言葉を使って定義すると、次のようになります。



  • 効率的→人びとの生活をよくする余地が全く残っていないこと
  • 非効率的→他の人びとの状態を悪化させることなく、ある人の状態をよくできること



別の言葉で言い換えると、非効率的な状態というのは、改善の余地があるということで、
効率的というのは、改善の余地がないということです。



これに独占の概念を付け足せば、
「独占市場は生産について改善の余地が残っている」
ということになります。



「効率的」というのは、完全競争の概念と通じるものがあり、
「完全競争市場は生産を良くするための改善の余地が残っていない」
ということになります。



独占市場の非効率を作図





文字だけでは分かりにくいので、それぞれ作図で示し比較してみましょう。
順不同になりますが悪しからず。



効率的な生産(完全競争市場)





非効率的な生産(独占市場)




両者の違うところは、需要曲線と限界収入曲線の位置関係です。


  • 効率的な生産(完全競争市場)→需要曲線と限界収入曲線は一致する
  • 非効率的な生産(独占市場)→需要曲線と限界収入曲線は一致しない


結果として独占市場では、本来社会で必要とされる量の財やサービスが、
供給されないということになります。


(つづく)

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