おちゃらけミクロ経済学: もっともうけよう!独占企業の価格差別その2

2013年7月11日木曜日

もっともうけよう!独占企業の価格差別その2

価格差別を続けていくとどうなるか?



出版社D社は、さらなる独占利潤を狙って、中身は全く同じですが、
2種類の顧客層に向けて、異なる出版形式で本を販売する予定です。
このD社の行動は、ミクロ経済学で言うと、価格差別と言います。



  • 熱心な読者1万人→ハードカバーで1,500円(1部当たりの利潤が900円)
  • そう熱心でもない読者4万人→電子書籍で700円(1部当たりの利潤が100円)



それぞれのファンは、リアルな出版市場と、webの出版市場の別々に存在するので、
D社は、利潤を1,300万円(900万円+400万円)まで最大化することができます。
別の言い方をすれば、「取りこぼしがなくなる」という感じでしょうか。



出版社D社の2種類のタイプの顧客







3種類の価格差別





今回は、リアルな紙の本と電子書籍の2種類のみの単純な価格差別ですが、
もしD社が3種類の価格差別をできるようになった場合、このようになります。
さらに「取りこぼし」がなくなり、独占利潤は増加します。



3種類の価格による価格差別







無数の価格差別(完全価格差別)





もしD社がこの価格の種類をどこまでも増やしていけるとすれば、
完全に独占利潤を手に入れることができます。このことを完全価格差別
と言います。



完全価格差別






(つづく)





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