おちゃらけミクロ経済学: 効用
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2013年4月9日火曜日

ブラック労働予防策 その3

「傾き」があきらめの費用を表す




労働者は事業主からの雇用条件を受け、労働に関する自分の満足度を
最大化しようとします(前回のブログ)。そのことを作図で表すと、この通りになります。



無差別曲線と予算制約線







このとき無差別曲線(赤)の限界代替率と、予算制約線(青)の相対価格は等しいと言います。
今回のブログでは、限界代替率と相対価格の意味について触れてみます。



限界代替率とは?





限界代替率無差別曲線の傾きのことで、効用(主観的な満足度)を維持するために、
余暇1時間を追加した場合に、賃金をどれぐらいあきらめなければならないかを示します。



無差別曲線







(特徴)

  1. 数式はMRS=MUw/MUvで表す
  2. 右下がり
  3. 傾きが常に変化
  4. 余暇が少ないとき(AB間)は傾きが急だが、多いとき(CD間)は傾きが緩やか



このうち3番目の特徴について、詳しく説明すると次のとおりになります。



  • 余暇時間が少ないとき

疲れているので余計に休息を取ることは非常に貴重→多くの賃金を失うに値する


  • 余暇時間が多いとき

疲れていないので余計に休息をとっても貴重ではない→引き換えにする賃金は少ない




相対価格とは





相対価格予算制約線傾きのことで、余暇で測った賃金の価格を表します。



予算制約線





(特徴)

  1. 数式はPw/Pvで表す
  2. 右下がり
  3. 傾きは一定


こちらは直線なので説明することは特にありません。




ブラック労働に陥らないための心得





これらの限界代替率相対価格が等しいとき、
労働者は所与の条件(雇用条件)の中で最大の満足を得ることができます。



ブラック労働と言ってもそれなりの労働条件はあります。
(違法か合法かとか、明示的か暗示的かは別にして)



このように、労働者としての満足度を、どのように組み合わせるか考えておくことが、
ブラック労働に陥らないためのひとつの対策となるでしょう。
(「ブラック労働予防策」シリーズおわり」)





2013年4月8日月曜日

ブラック労働予防策 その2

あきらめの費用・限界代替率と相対価格




前回、ミクロ経済学の概念の使って、ワークライフバランスを考えてみました。
作図で説明すれば、こんな感じです↓



賃金と余暇の最適な組み合わせ






  • 赤色の線→無差別曲線
  • 青色の線→予算制約線


無差別曲線は、労働者にとっての労働に対する選好で、
予算制約線は、事業主の賃金と余暇に関する雇用条件であるともいえます。



限られた予算制約線(雇用条件)の中で、労働者の最大の満足度を達成し、
ワークライフバランスをとってみよう
というのが、記事の主旨です。






Labour's Pre-Budget Priorities / The Labour Party





数式で表す・限界代替率と相対価格




さて、この直観的な図は、数式で表すこともできます。




  • MUw/MUv = Pw/Pu (限界代替率 = 相対価格)




しかし、いきなり限界代替率やら相対価格と言われても、初学者の人にしてみれば、



「は?なんのこっちゃ?」



ということでしょう。したがって、ここでは左辺は赤色の線の傾きを、
右辺は青色の線の傾きを表し、両者は等しく、だから交わっている、
ぐらいに思っておきましょう。




「稀少性」にかかわる限界代替率と相対価格





そもそもなぜ限界代替率相対価格などという概念があるのでしょうか?
それは、経済学自体が、「稀少な資源の配分」を考える学問だからでしょう。



初学者用の経済学のテキストを読んでいると、
最初の方に「稀少性」とか「トレードオフ」について説明されています。



非常に大ざっぱな言い方ですが、限界代替率相対価格というものは、
2つの財・サービスについて「あちらを立てればこちらが立たず」の関係を表します。
または「あきらめの費用」とも、言えるかもしれません。



はじめはとっつきにくい考え方かもしれませんが、最初は「あきらめてください」。
次回のブログでは限界代替率相対価格の詳しい内容は、述べようと思います。
(つづく)




※雇用契約で余暇時間を直接規定するわけではありませんが、労働時間は規定されています。
24時間から労働時間を控除すれば、ザックリとした余暇時間は求められます。





2013年4月7日日曜日

ブラック労働予防策 その1

労働の満足度を変える方法について





労働者にとって賃金も余暇も多いことにこしたことはありません。
しかし、両方とも自分の満足を上回る賃金や余暇を消費していると考える人は、
多くないでしょう。



「ブラック企業」という単語が、巷間噂されるのも、
自分のワークライフバランスについて満足が得られないと感じる人が
多くなっているからだと、管理人は考えます。




それなりの賃金は支払われているが、余暇時間が少なすぎ








余暇時間はあるが、賃金が低すぎ








賃金と余暇の組み合わせを変える





もっとも経済学でいう満足度というものは主観的な感覚を表すので、
たとえ労働条件が変わらなくても、自分の満足度を上げることはできます。
賃金と余暇の組み合わせを変えれば、良いのです。



ここから先でご紹介する内容は、サラリーパーソンにとっては難しい内容かもしれません。
労働条件について恣意的な変更が難しいからです。ですがここでは、そういう考え方もあるんだな
という程度に取っていただければ幸いです。



自分の考え方にいろいろな選択肢があると、周りのことがよく見れるようになると思います。





正丸峠なう。 #mountain #bicycle #sky #イマソラ #自転車 / torisan3500





高校数学の知識で満足度を上げる





さて、労働者として自分の満足度を向上させるとは、こういうことです↓
高校数学の微分の授業で、「接線の傾きを求めよ!」という問題にも出てくるアレです。



賃金と余暇の最適な組み合わせ







ミクロ経済学よりの言葉を使えば、点Aでは時間配分予算制約線無差別曲線が、
接していると言います。このときの点Aでの組み合わせは最適となり、
最大の効用(主観的な満足度)が得られることになります。



言い換えればこのような状態のとき、個人にとってワークライフバランスが
取れている
と言えるでしょう。
(つづく)





2013年3月11日月曜日

最適消費を選択する その2

最適消費はグラフで分かる!




あなたはどうすれば、効用(主観的な満足度)を最大化できるでしょうか?
はてなダイアリーとtwitterを例にして考えてみましょう。



あなたは、はてなダイアリーの記事や、twitterのtweetを眺めるのが大好きです。
ただし、はてなダイアリーとtwitterを眺めることに以下のような制約条件があります。
(前回のブログ)


  • 眺める時間は1日あたり20分まで
  • はてなダイアリーの記事を1本読むのにかかる時間は4分
  • twitterのtweetを一つ読むのにかかる時間は2分




はてな

hatema on psp / typester




組み合わせで効用を最大化




1日20分という時間で読める記事やtweetは限られていますが、
効用(主観的な満足度)はそれぞれ異なります。
効用を最大化させるためには、最適な消費の組み合わせを考える必要があります。



今回の例であれば、最適な消費の組み合わせは、6通り存在します。
また読める記事が多くなればなるほど、効用は大きくなります。



はてなとtwiterの組み合わせ


はてなとtwiterの組み合わせ




あなたの予算と総効用



あなたの予算と総効用



総効用を直観的に理解する




主観的な満足度を測るためには、第6列の総効用に注目します。
今回の例では、C点が、総効用を最大化させる最適な消費の組み合わせとなります。



つまり、はてなダイアリーの記事を2本、twitterのtweetを6個を読むことによって
あなたの満足度を最大化できます。総効用が最大化している様子を、
グラフで表すと次のようになります。



あなたの総効用関数


あなたの総効用関数





このように直感的に、総効用が最大化する点を表現することもできますが、
基準となる単位をそろえることによって、異なる財やサービスの満足度を測り、
最適な消費の組み合わせを探すこともできます。



次回のシリーズでは、「単位」をそろえることについて考えてみましょう。
(「最適消費を選択する」シリーズ終わり)








2013年3月5日火曜日

ブログの満足度は? 効用理論その3

消費者行動を分析するための基礎固め




あなたが、とても面白いブログを次々に読んでいったときの、、主観的な満足度は、
効用という考え方で表すことができます。これら2つのグラフは、効用関数
限界効用曲線と呼ばれています(前回のブログ)



ブログの効用関数




ブログの効用関数







ブログの限界効用曲線




(効用関数と限界効用曲線の特徴)


  1. 読む記事の本数が多くなると、効用関数は増加数は鈍化する(上)
  2. 9本以上読むと、ブログを読んだ全体の満足度は逆に下がる(上)
  3. 8本目から9本目の記事を読むときに、追加的に得られる効用はマイナス(下)



効用と限界効用逓減の法則




人間はコンピューターではありませんので、主観的な満足度を厳密に数値化できる
わけではありません。


しかし、ブログを読むにも時間はかかります。
限りある時間を使うため、たとえおおざっぱにでも、読むかどうかの
選択をしなければなりません。そのため効用という考え方は非常に有用です。



効用の総数や追加的な変化を効用関数限界効用曲線で表現することができますが、
これらには、限界効用逓減の法則という考え方が貫かれています。





ski

skiing... / nonanet




限界効用逓減の法則




限界効用逓減の法則とは、ある財やサービスをもう1単位追加的に消費しても、
得られる満足度は、徐々に低下するという考え方です。



もちろん、すべての財やサービスに限界効用逓減の原理が、
当てはまるわけではありません。スキーや水泳のように、総運動量が増えれば
増えるほど、追加的な限界効用が逓増する財もあります。
(練習量が上がるとそのスポーツをより楽しむことができるから)



ですが、たいていの財やサービスは、真夏の日に飲むコーラのように、
限界効用逓減の原理に該当します。
(1杯目のコーラはおいしいが、10杯目のコーラはお腹をくだすかもしれない。
スキーや水泳も運動量が多すぎるとケガをし、総効用は激減する)



今回のシリーズは、効用効用関数限界効用曲線の言葉の意味について、
ご紹介してきました。これで消費者行動の分析をするための準備が整いました。
(「ブログの満足度は? 効用理論」シリーズおわり)





2013年3月4日月曜日

ブログの満足度は? 効用理論その2

「スター」で総効用を表現しましょう




前回のブログのとおり、「はてなスター」は、他のブログサービスと比べて、
主観的な満足度を測る、効用がとても分かりやすい機能です。




facebookの「いいね!」やBloggerの「g+1」が一つの投稿や記事に対して、
評価を単数でしか表せないのに対し、はてなダイアリーの「はてなスター」は、
一つの記事に対して、評価を複数で表すことができるからです。





facebook like button

facebook like button / Sean MacEntee




効用(満足度)をスターで表す




例えば、あなたがある日、めちゃくちゃおもしろいテーマのブログを見つけたとしましょう。
このブログにも、満足度を表すための★(星)印を付けられる機能があるとします。
単位は、仮に「スター」としておきましょう。




あまりの面白さにあなたは、その記事に対して、あなたは15スターを付けました。
他に面白い記事はないかと思って探すと、またまた面白い記事に出くわしました。
今度は、13スターを付けました。



以降、あなたはこの調子でブログの記事にアクセスしていき、スターの総数、
つまり、総効用限界効用は次のとおりとなりました。



ブログの効用






ブログの効用関数と限界効用曲線




次にこの表を2つのグラフで表してみましょう。特徴を表すと、以下のとおりとなります。




ブログの効用関数



ブログの効用関数




ブログの限界効用曲線




ブログの限界効用曲線



  1. 読む記事の本数が多くなると、効用関数(右)における総効用の増加数は鈍化する
  2. 9本以上読むと、ブログを読んだ全体の満足度は逆に下がる。
  3. 8本目から9本目の記事を読むときに、追加的に得られる効用はマイナス


(つづく)

2013年3月3日日曜日

ブログの満足度は? 効用理論その1

ブログの満足度の測り方




「おちゃらけミクロ経済学」といっても、基本はブログサービスです。
そのため、Googleが運営しているBloggerサービス以外にも、
他にどんなブログサービスがあって、どんな個別サービスがあるのか、けっこう気になります。



その中で管理人が、知る得る限りで特徴的なブログサービスをあげるとすれば、
はてなダイアリーが挙げられます。(2013年2月28日現在)



何が変わっているかといえば、「はてなスター」という機能があることです。
はてなダイアリーを使っているブログを見ると、記事の隅のほうに、★(星)をつけることができます。




「はてなスター」はリアルな世界でいうところの、「あいさつ」みたいなもんです。
また、面白い記事に出会うと、思わず★を付けたくなります。
「あいさつ」だけではなく、一種の満足度を表す機能でもあります。




はてなスター


どのサービスが満足度を測れるか?




でもそのような機能は、このBloggerの「g+1」とか、facebookの「いいね!」ボタンにもあります。
これらと何が違うのでしょうか?それは、1人当たり付けられる個数が、違うということです。



  • はてなダイアリーの「★」→何個でもOK
  • Bloggerの「g+1」→1個のみ
  • facebookの「いいね!」→1個のみ



Bloggerの「g+1」やfacebookの「いいね!」ボタンは、1人1個しか付けられません。
以前付けた投稿と比べて、どちらの方が、満足度が高いのかは、分かりません。



それに対して、はてなダイアリーの「★」は、1人が1つの記事に対して、
複数個の「★」を付けることができます。そのため、後でどの記事が満足度が高かったのか、
比較することができます(もちろん主観的な比較しかできないが)。



はてなスターは満足度を表す




はてなダイアリーの「★」は、ちょうど消費者効用と置き換えることができます。
ミクロ経済学でいうところの効用とは、消費者行動を理解するための概念で、
財やサービスの消費から得られる、満足の尺度を表します。



「★」は複数個付けられるため、「あの記事とこの記事のどっちが面白かったか?」
ということを、数値で表すことができます。これからお話しする内容は、
そんな主観的な評価について考える、消費者の効用理論についてのお話です。


(つづく)