費用曲線のおさらい
さて、前回のブログで2つのグラフを示しました。
それぞれ、わが町の製パン業界での、費用を示すグラフでした。
パン屋さんの費用曲線その1
(特徴)
- 生産個数が少ないときは、傾きが小さい
- 生産個数が多いときは、傾きが大きい
パン屋さんの費用曲線その2
(特徴)
- 生産個数に係らず、傾きは常に一定
総費用について
先に、ミクロ経済学の専門用語を使って、結論を述べると、
パン屋さんの費用曲線その1は、生産個数の総費用を表しています。
パン屋さんの費用曲線その2は、生産個数の限界費用を表しています。
総費用は、その名の通り、パンを生産するのにかかった、全ての費用を表します。
主に次のものが、挙げられます。
- 土地の取得費用
- 工場の建設代金
- 製造ライン設置費用
- 材料費(小麦粉・砂糖・塩など)
- 水道・光熱費
- 人件費
- その他販売経費
アンパンマンの銅像 / Takanori Ishikawa
限界費用について
限界費用とは、もう1単位のパンの生産量を追加するときにかかる費用の増加分、
を表します。おちゃらけミクロ経済学名物の、作図で考えてみましょう。
総費用の3ヶ所に、それぞれ直線をあてがい、傾きを観察します。
パン屋さんの費用曲線と3本の接線
- 生産個数が少ないときは、傾きが小さい
- 生産個数が中ぐらいのときは、傾きが中ぐらい
- 生産個数が大きいときは、傾きは大きい
何だか、見たまんまのことを、説明していますね。
ミクロ経済学的な言い方に換えると、表現はこうなります。
- 生産個数が少ないときは、もう1単位のパンを作るための追加的な費用は、少ない。
- 生産個数が中ぐらいのときは、もう1単位のパンを作るための追加的な費用は、中ぐらい。
- 生産個数が大きいときは、もう1単位のパンを作るための追加的な費用は、大きい。
ちょっと分かりにくいですね。
今度は、パン屋さんの立場に立って、より商売的な言い方をすると、表現はこうなります。
直感的に考えるならば、商売的な言い方が、もっともピンとくるかもしれません。
- 生産個数が少ないときは設備や人員が遊んでいる。増産が、ラク
- 生産個数が中ぐらいのときは設備や人員は、ほぼ100%の稼働。増産はコストが発生
- 生産個数が大きいときは設備や人員が、100%超の稼動。増産は莫大なコストが発生
パン屋さんの費用曲線を商売的に説明する
限界費用で使われている、限界の考え方について、
なれないうちは、いまいち分かりにくいかもしれません。
次回のブログで、噛み砕いて説明してみましょう。
(つづく)
0 件のコメント:
コメントを投稿