おちゃらけミクロ経済学: 比較優位の含意

2012年10月3日水曜日

比較優位の含意

比較優位のポイントは3つ




前回のブログで、絶対優位と比較優位の考えについてご説明いたしました。
今回は、後者の比較優位の含意を考えてみましょう。ポイントは3つです。
1つずつ解説していきましょう。



比較優位と機会費用を考えてみよう


1つ目のポイント



  • 「2人が、得意分野の生産に特化すれば、経済の総生産が増加する」

これは、当ブログの愛読者(?)の方であれば、もうすでにご存じでしょう(笑)
こちらは、前回前々回のブログをご参考ください。



2つ目のポイント



  • 「それぞれが、2つの財について、異なる機会費用を持つ限り、誰でも何かの財について、比較優位をもち、何かの財について、比較劣位をもつ」


抽象的な言葉を並べましたが、
要は、算数の時間で習った、「分数の逆数」を思い出してください。
ロビンソン、吉之助ともに、魚とバナナの機会費用は、ちょうど逆数の関係にあります。




【2人の機会費用の交換レート】


ロビンソン:バナナ3/4房⇔魚4/3匹
吉之助:バナナ2房⇔魚1/2匹



比較優位は逆数の関係


比較優位は逆数の関係




ロビンソンは、魚捕りについては、「名人」だといえますが、バナナの収穫は、「下手くそ」です。
逆に、吉之助は、魚捕りについてについては、「下手くそ」ですが、バナナの収穫は、「名人」です。
両者ともに捕まえた魚の数や、収穫したバナナの本数そのものを、
比較しているわけではありません。





3つ目のポイント



  • 「比較優位の概念は、漂流者だけでなく、国際間の交易にも拡張できる」



比較優位の概念が、絶海の小島のみで適用できるアイデアであれば、
単なる空想上のアイデアです。しかし、実際には国際間での、
貿易の原因と効果をかんがえるための、分析ツールとなります。





ちなみに、3つ目の含意の中で、管理人が強調したい部分は、3番目のポイントです。
当ブログで紹介したアダム・スミスが、「アイデア」を考え、
デービット・リカードという人物が、自分の国会議員としての活動に活かしました。









そういうわけなんで、今度は、比較優位の前提となる、
自由貿易についてブログを書いてみることにしようっと。
(「比較優位」シリーズ終わり)




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