パン屋さんで限界概念を使う
パン生産の費用のグラフとして、異なる線形のグラフが存在するのは、どうしてでしょうか?
(前々回、前回のブログより)
ますだ製パン / Sig.
その答えについて、限界という概念を使って、考えてきました。
パン屋さんの経営者の立場に立って、限界の概念を適用すると、以下のような表現になります。
パン屋さんの費用曲線と3本の接線
パン屋さんで限界概念の説明
この図の特徴は、ザクッと分けて、3つあります。
- 生産個数が、少ないときは、設備や人員が遊んでいる。増産がラク
- 生産個数が、中ぐらいのときは、設備や人員は、ほぼ100%の稼働。増産は、コストが発生
- 生産個数が、大きいときは、設備や人員が、100%超の稼動。増産は、莫大なコストが発生
パン屋さんの限界概念をもっと詳しく
パンを作るために、工場を建てて、人を雇っても、生産量が少なければ、
いわゆる「遊び」の部分が多いため、生産量を増やすとしても、大きなコストを必要としません。
生産個数が増え、工場が、それなりに「回っている」状態になっているときに、
生産を増やそうとすると、それなりのコストがかかります。
労働者に支払う時間外手当や、材料費、水道・光熱費などの上昇が、考えられます
そして、工場のラインも、労働者も、100%フル稼働をしている中で、
さらに生産量を増やそうとすれば、既存の設備や人員では、もう生産が、追いつきません。
新たな用地の取得や工場の建設、労働者の採用など、巨大なコストが必要になります。
もう一度限界概念に戻りましょう
ここで異なる線形のグラフについて、冒頭の問題提起を考えてみましょう。
曲線のグラフは、パンを作るときの総費用を表してまいます。
曲線のグラフは、パンを作るときの総費用を表してまいます。
直線のグラフは、パンを1単位追加的に作るときの、その追加費用を表しています。
パン屋さんの費用曲線その1
パン屋さんの費用曲線その2
限界の考え方について、理解を深めるため、次回は、微分について考えます。
といっても、dx/dyとか、⊿yの記号を使った、計算式は出しませんので、ご安心を!
(つづく)
参考文献:グレゴリー・マンキュー「マンキュー経済学第2版Ⅰ」(P142)東洋経済新報社
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