ベーシックインカムのおさらい
前回、前々回とベーシックインカムの話を振ってみました。
- ドラえもんにお願いして、「もしもボックス」を出してもらう。
- 「もしもボックス」で「もしベーシックインカムが導入されたら?」というお願いをする。
- その後、労働市場における労働供給曲線を観察すると、傾きが、「垂直」から「水平」になる。
労働供給曲線が、「垂直」から「水平」になると、
労働量の減少のわりに労働の価格(賃金)の減少が小さくなります。
そのため、労働者にとっても、企業にとっても、フレキシブルな労働時間体系を、設定しやすくなります。
垂直な労働供給曲線に対して左シフトした労働需要曲線
水平な労働供給曲線に対して左シフトした需要曲線
つまり、何らかの事情(育児・介護・自身の教育訓練など)によって、
労働時間を短縮することについて、正のインセンティブが、働くことになります。
ベーシックインカムのデメリット
いいことづくめのように見える、ベーシックインカムですが、デメリットもいくつか考えられます。
1.実証研究や実例が少ない
「厚生労働省」「ベーシックインカム」などキーワードで、Google検索しても、
実証研究をしている例がない(2012年10月20日現在)
実例についても、管理人が聞き及ぶ限りで、導入されている国はデンマークのみです。
デンマークでは、18歳以上の国民全員に最低生活費が、支給されているそうです。
2.「自己責任」のルール
最低限度の生活費にも困る人が、何らかの理由で生活費以外のことに使って、なくしててしまうと、
それ以上のセーフティーネットによって救われることはなくなる。
3.「クビを切られても安心の社会」ということが前提
もし「クビを切られない社会のしくみ」が、機能している時、
ベーシックインカムの存在意義が、あいまいになる。
ベーシックインカムについて個人的見解
導入に是非のあるベーシックインカムですが、
個人的には、導入してほしいなぁ、と思います。
というのは、労働供給曲線が、水平になることによって、
労働の移動(転職、新規事業の立ち上げなど)が、容易になるからです。
そうなると、イヤイヤ仕事に就いていた人が、自分自身で考えた好きな仕事に
変えやすくなるからです。
そうしたら、サービスの受け手側(消費者側)にとって、
もっと、気持ちよくいろいろなサービスを受けられるようになるんじゃないかな?と思ったりもします。
(もちろん、お金が支給されて単純に嬉しいということもありますが)
好きな仕事であれば、すすんで問題点を解決し、
生産物の付加価値を高めるインセンティブを高められるのではないでしょうか?
そうなってくると「ドラえもん」にまたお願いして、
四次元ポケットから「ポータブル国会」というひみつ道具を出してほしいと思います(笑)
Board of Public Works Meeting / MDGovpics
ドラえもんのひみつ道具:「ポータブル国会」
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ベーシックインカムおまけ
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ちなみに「ベーシックインカムが導入されたら働かない人が出る」という
デメリットも出てきそうですが、これはデメリットには、入らないと思います。
なぜなら、支給する最低生活費が、現在の金額(2012年10月)で、
5万円程度のものであれば、衣食住を維持するだけで精一杯で、
それ以上の消費(交際、娯楽など)を行うことは、かなり困難だからです。
人間の「見栄」を見たそうすれば、結局働かざるえない、ということになるのではないでしょうか?
(ベーシックインカム編終わり)
参考文献:
小飼 弾「働かざる者飢えるべからず」サンガ
新田ヒカル・星飛雄馬「やさしいベーシックインカム」サンガ
池田和明「利益力の源泉~いかに付加価値を創出するか」ダイヤモンド社
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