比較優位は経済学における重要概念
5回のシリーズものとして、比較優位の概念について説明してきました。
この概念は、世の中の出来事を分析する経済にとって、非常に重要な概念のひとつです。
管理人が、ふだんミクロ経済学のテキストとして使っている、
- 「クルーグマンミクロ経済学」
- 「マンキュー経済学第2版Ⅰミクロ編」
では、最初の方で紹介されています(クルーグマン→P36、マンキュー→P75)。
比較優位のための自由な市場
もっとも、自由な取引ができる「場」がないと、比較優位の考え方は、使えません。
ここでいう「場」というのは、リアルな売り買いの場(穀物市場や株式市場)だけではありません。
ある財やサービスについて、売り買いができると、人々が信じている、
仮想上の概念も含まれます。
もし、人々が、ある財やサービスについて、自由に取引ができないと思ってしまうと、
どうなるでしょうか?
おそらく、食料も、衣料品も、住居も、何かも、自分で作って
自給自足の生活をはじめようとします。
肉屋さんが、Tシャツを縫い始め、アパレルメーカーのバイヤーが、電動ノコギリを持ち出し、
住宅メーカーの営業マンが、牧畜業に手を出すことになります。
確かに、今の世の中、それぞれ畑違いのことをやる方は、大勢いらっしゃいます。
でも、それは趣味に限っての話。みんなが、「生きるため」に、真剣に自給自足の生活を
はじめ出したら、エライことになります。
なぜなら、人々は得意なことに特化して得られるはずの利益を損なってしまうからです。
ちょうど、こんな感じになります
(比較優位と機会費用より引用)
縮小する食料確保量と消費量その1
縮小する食料確保量と消費量その2
自給自足生活のデメリットとは?
中には、「それでもええやん!」とおっしゃる方が、いらっしゃるかも知れません。
ですが、一度、自由貿易の恩恵に浴して、その後、自給自足の生活に移そうとなると、
たくさんのデメリットが、発生します!
経済学風に需要と供給の法則にもとづいて説明すると、
それぞれの曲線に、くさびが一本、打ちこまれることになります。
そうすると、価格と数量の均衡が取れなくなります。
文章のみで説明すると、分かりにくいですね???r(・x・。)???
次回は、当ブログ名物の作図で、表してみましょう。
(つづく)
【比較優位のための関連エントリ】
比較優位の含意
比較優位と機会費用
比較優位と取引利益
比較優位と取引
比較優位と自由貿易
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