おちゃらけミクロ経済学: 限界収穫逓減の法則 その1

2012年11月9日金曜日

限界収穫逓減の法則 その1


2つの古典的名著、「人口論」と「人月の神話」





唐突ですが、管理人は、最近、読書感想文ブログをはじめました。
書評ブログ、と言っていいかもしれませんが、「書評」と言うほど、
立派なもんでもないと思って、自分で「読書感想文」と呼んでおります。




こちらのミクロ経済学ブログに記事をUPするために、
それなりに、経済学とそれに関連する本を読んでいます。
管理人の習慣として、読んだ際に「読書帳」をつけていました。




最近、それが結構な量になってきましたので、
「もう1個ブログをはじめたら、どないやろ?」という
とりとめもない理由で、はじめております。




そういうわけで、今回の「読書限界収穫逓減の法則シリーズ」は、
読書感想文ブログ開設記念」といたしまして、経済学にまつわる2つの古典的名著、
「人口論」「人月の神話」を、紹介しながら、お話を進めていきたいと思います。





読書感想文

読書感想文1 枚目 / takamorry




ロバート・マルサスの「人口論」






"人口は、さまたげられないばあい、等比数列において、増大し、人間のための生活資料は等差数列において増大する"


ロバート・マルサス「人口論」中公文庫(P26)



この文章をかみくだいて、説明すると、このようになります




  • 人間の人口→幾何数級的に増える。10の2乗、10の3乗など、累乗で増加する。
  • 生活資料(食糧)→算術級数的に増える。10の2倍、10の3倍など、倍数で増加する。




ここから、ロバート・マルサスという経済学者は、
人間の人口は、食糧の増加よりも、爆発的に速いスピードで増加するため、
人類は常に貧困状態にあることが当然である、と結論づけています。




フレデリック・P・ブルックス,Jrの「人月の神話」





"ブルックス,Jrは、ある開発プロジェクトを担当するプログラマーの人数を増やしても、
それに比例してプログラム開発時間が短縮されるわけではないことに気付いた"

ポール・クルーグマン「クルーグマンミクロ経済学」(P223のコラムより)



フレデリック・P・ブルックス,Jrは、かつてコンピュータビジネスで、
隆盛を極めたIBM社の、開発マネージャーを務めていた人物です。




そのブルックス,Jrの「人月の神話」を、ごく簡単に説明すると、



「ソフトウェア開発の世界において、プロジェクト規模が、大きくなればなるほど、
どうして上手くいかなくなるんだろう?」



ということを述べています。




「人口論」と「人月の神話」の共通点





「人口論」が出版されたのは、1789年のイギリスです。
一方、「人月の神話」が出版されたのは、1975年のアメリカです。



それぞれの本は、食糧問題とソフトウェア開発をテーマとし、
発行された年も、200年以上異なるため、一見すると、関係がなさそうに見えます。




しかし、ミクロ経済学の限界収穫逓減の法則という概念にもとづくと、
意外な共通点が見えてきます。




当ブログ名物のグラフで、マルサスブルックス,Jrが、
主張していることを表すと、こうなります。



マルサスとブルックスJrの曲線







(つづく)










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