供給曲線の原理原則とは?
前回のブログで、「賃金率が下落した場合」という仮定の下、余暇時間や労働時間が
どう変化するかについて、考えてみました。
賃金率とひとくちに言っても、属している産業や企業、
また雇用形態などによって、まちまちです。
Welcome To Unemployment / Andres Rueda
自分の頭で考え続けよう
ただ、大切なことは賃金が下落(上昇)しても、反応が一つだけなのではない、
というところです。自分の置かれている状況や選好によっては、余暇時間や労働時間を
増減させることは、ごく「自然の流れ」であることです。
別の言葉で言いかえると、
- 「皆がそうしているから」
- 「周りがそう言うから」
という理由だけで、思考停止に陥ると、やぶにらみの状態に
走ってしまう可能性があるということです。
必ずしも右上がりの曲線とは限らない労働供給曲線
下の図は、一般的な財と労働サービスの供給曲線の比較です。
一般的な財は、ただ右上がりの曲線です。
それに対して、労働サービスの曲線は、右上がりでもあり、左上がりでもある曲線です。
(これを後方屈曲的な個別労働供給曲線と言う)
後方屈曲的な労働供給曲線
一般的な財は、価格が下がれば、供給量も減少しますが、
労働サービスの場合は、賃金率が下がれば、
必ずしも労働時間が増えるというわけではありません。
「増えるかもしれないし、減るかもしれない。
その人の賃金率や選好による」というのが答えでしょう。
このように、一般的な財と労働サービスの供給は異なるということを、
どこか知識としておけば、ブラック企業やブラック労働の対策に、
役立てることがあるかもしれません。
(つづく)
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