意思決定にもとづく行動
個人でも会社でも、何かの行動をするためには、2種類の意思決定をする必要があります。
- 「するかしないか?」
- 「どれぐらいするか?」
完全競争市場 価格は決められるかシリーズでは、
完全競争市場において、企業が、利潤の最大化をさせるための活動をおこなうために、
やはり、2種類の意思決定があることを述べました。
- 「するかしないか?」→生産1個あたりの費用が市場価格を上回るか?
- 「どれぐらいするか?」→利潤が最大化するまで生産できるか?
この2種類の意思決定について、ミクロ経済学の用語を用いるならば、次のようになります。
- 「するかしないか?」→最小平均総費用
- 「どれぐらいするか?」→最適生産量ルール
ただ、最小平均総費用や最適生産量ルールなど、言葉の定義だけをあれこれしても、
非常に分かりにくいものです。ここからは、表やグラフを用いながら、順を追って考えてみましょう。
(言葉の定義については、おちゃらけミクロ経済学用語集をご覧ください)
DSC03471 / ume-y
光秀くんのコーヒースタンドでケーススタディ
光秀くんは、オフィス街でコーヒースタンドを営業しています。周りには、喫茶店、
大手チェーン店のカフェなどが、無数にひしめいて、休憩時にコーヒーを買い求める
お客さんからすると、コーヒーの差異は、全く分からない状態になっています。
つまり、このオフィス街で、コーヒーは標準的製品(コモディティ)であり、
それを扱う無数のお店は、価格を自分で調整できない完全競争市場の企業になっています。
店長である光秀くんは、お店を続けるべきかどうかを、
コーヒーの市場価格とお店の費用を見ながら、常に考えなければなりません。
そんな中、彼のコーヒースタンドの固定費用と可変費用の記録を覗くと、
次のようになっていることが、分かります。
光秀くん・コーヒースタンドの費用(1)
「するかしないか?」の意思決定
光秀くんの意思決定のためには、まず常に「するかしないか?」を考えなければなりません。
そこで彼は最初の表に、総費用・平均可変費用・平均総費用・限界費用を書き加えました。
光秀くん・コーヒースタンドの費用(2)
平均総費用が算出されたので、彼のコーヒースタンドの最小平均総費用が分かります。
コーヒーを300杯売ったときの平均総費用が最も低く、193円です。
この193円は損益分岐価格とも呼ばれ、光秀くんのコーヒースタンドは、
次のルールを得ることができます。
- コーヒーの市場価格 > 193円(損益分岐価格) → 利潤を得る
- コーヒーの市場価格 = 193円(損益分岐価格) → 利潤はゼロ
- コーヒーの市場価格 < 193円(損益分岐価格) → 損失を被る
(つづく)
0 件のコメント:
コメントを投稿