会計利潤と経済利潤と機会費用
企業活動の最大の目的は利潤の最大化なのに、「利潤がゼロ」でも
事業を続けるのはなぜでしょうか?もちろん、「社会的公器」であるとか、
「世のため人のため」という感じに道徳論で、説明を付けられるかもしれません。
ですが、ミクロ経済学の完全競争理論の範囲内で、
「利潤がゼロ」でも、企業が活動を続けていく理由を説明することが可能です。
簡単な例を用いて考えていきましょう。キーワードは次の3つです。
- 会計利潤
- 経済利潤
- 機会費用
Personal Finance / 401(K) 2013
「目に見える費用」と会計利潤
ねねさんは、昨年、知り合いからおカネを投資してもらい、
駅前の貸しビル内で、ネットカフェを開店しました。
そして1年後の現在、昨年の会計収支について知り合いの税理士さんに、
次のように報告してもらいました。
「目に見える費用」と会計利潤
1年目400万円のプラスです。つまり、会計利潤が発生している状態です。
これならば、おカネを投資してもらった知り合いに大しても面目躍如です。
「目に見えない費用」と経済利潤
ところが、人間の心理とは一筋縄ではいかないものです。ねねさんには、気になる点があります。
「自分がこの期間誰かに雇われていたら、いくら給与を支払ってもらえただろうか?」
ねねさんのネットカフェには、ねねさん自身の労働力が投入されています。
もし、ねねさんがネットカフェの事業主ではなく、誰かの従業員として働けば、
得られていた給与があります。
これは、実際に発生した費用ではなく、「目には見えない費用」で、
機会費用とも言われています。その機会費用も考慮すると、経済利潤はゼロになっています。
「目に見えない費用」と経済利潤
(つづく)
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