市場価格が最小平均総費用より低いとき
前々回のブログで、光秀くんのコーヒースタンドの費用を除いてみると、
次のようになります。彼の店の損益分岐価格は193円となります。
光秀くん・コーヒースタンドの費用(2)
- コーヒーの市場価格 > 193円(損益分岐価格) → 利潤を得る
- コーヒーの市場価格 = 193円(損益分岐価格) → 利潤はゼロ
- コーヒーの市場価格 < 193円(損益分岐価格) → 損失を被る
それでは、市場価格が最小平均総費用より
例えば、コーヒーの市場価格が1杯につき、155円であるとしましょう。
昼食はスターバックス / HIRAOKA,Yasunobu
コーヒースタンドの店を「続けるべきかやめるべきか?」
まず、光秀くんが考えるべきことは、そもそも店を続けるかどうかです。
市場価格(155円)が、店でコーヒーを出すことができる、
損益分岐価格を下回っているので、店を辞めるべきと考えたくなるでしょう。
- コーヒーの市場価格 < 193円(損益分岐価格) → 損失を被る
しかし、早計は禁物です。この場合、販売数量を少なくすることによって、店を続けるべきです。
実は193円という損益分岐価格をよく見ると、最小平均総費用と等しく、
固定費用と最小可変費用の2つに「分解」ができます。
- 損益分岐価格 = 最小平均総費用 = (固定費用 + 最小可変費用)
固定費用は埋没費用(サンクコスト)
最小平均総費用に含まれている固定費用は、生産量とは無関係に
費用を支払わなくてはなりません。
固定費用は、店を続けるかどうかの意思決定については、関係がありません。
このときの固定費用は、意思決定に含まれない、
埋没した費用として、「サンクコスト」と呼ばれます。
市場価格が、損益分岐価格を下回ったときに比較するのは、
市場価格(P) =限界収入(MR)と、平均可変費用(AVC)です。
光秀くん・コーヒースタンドの費用(6)
可変費用の例として、コーヒー豆やカップなどが挙げられます。
これらは、販売を止めることで、費用の調整を行うことができます。
従って、平均可変費用は、店舗運営を続けるかどうか、
大きな役割をはたします。
(つづく)
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