「働き損のくたびれ儲け」にならないためのコツ
誰でも働いたら、働いた分だけ報われたいものです。
報われるための手段や、方法(おカネ・モノ・名誉など)とその量は、
人によって異なりますが、そのように思うこと自体は、多くの人に共通することでしょう。
逆に、見出しにあるように、働いても報われないどころか、
「くたびれ損」をするというのは、誰しもやりたがらないことでしょう。
そうは言っても、浮世のならいでどうしても、
「くたびれ損」覚悟で、「働かなければならない」ときもあります。
実は、「働き損のくたびれ儲け」という言い回しは、ブログのタイトルにも使われている、
限界分析の原理と、通じるものがあります。前々回は、限界費用についてのお話でした。
前回は、限界便益(限界収入)についてのお話でした。
そして、この2つの「限界」の考え方を合わせることで、
「働き損のくたびれ儲け」にならないための、コツが分かるようになります。
DSCN1772 / t.ohashi
家康くんにとっての「ちょうど」とは
前々回、前回のブログで登場した、スポーツジムでマンツーマントレーニングの指導をしている
家康くんの、限界便益(限界収入)と限界費用について、考えてきました。
いくら、運動の指導が好きな家康くんといえど、
赤字続きでは、仕事そのものが続けられなくなります。そこで家康くんは、手持ちの分析表に
限界便益(限界収入)と限界費用の他に、純利益という項目を加えました。
マンツーマントレーニングの純利益
すると、指導人数が5人目のときの純利益としてプラスになっていますが、
6人目以降は、純損失としてマイナスになっていることが、分かります。
ここから、家康くんが1日当たりに指導する人数は、5人が「ちょうど」であることが、分かります。
「ちょうど」とは最適数量のこと
限界便益(限界収入)・限界費用・純利益の表について、
グラフにすると、次のようになります。x軸を基準にしてみると指導する人数が、
5人から6人のところで、限界便益(限界収入)・限界費用の両曲線が、
交差していることが分かります。
マンツーマントレーニングの最適数量
細かく計算をすれば、5.○人というところが、「ちょうど」というところでしょう。
ですが、人数はは1人・2人と離散的にしか、数えられないため、5人が、
家康くんにとっての「ちょうど」となります。
このように、「やればやるほど報われたい」、でも「働き損のくたびれ儲け」にはなりたくない、
という数量のことを、ミクロ経済学では最適数量といいます。
(つづく)
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