利潤 = 総収入 - 総費用
企業(会社)が活動をしている、最大の目的は「利潤」の獲得です。
企業(会社)が一定期間に算出する「損益計算書(P/L)」を見ると、
「売上粗利益」、「営業利益」、「税引き後純利益」etcなど、
「利潤」の概念と近いものが、必ず登場します。
本来、ミクロ経済学で「利潤」というと、人件費や経費など「目に見える費用」に加えて、
「目に見えない費用」である機会費用も存在します。
ですがここでは、ざっくりと「経済利潤 ≒ 会計利潤」ということにしておきましょう。
これら「利潤」や「利益」の考え方は、「利潤 = 総収入 - 総費用」という
単純な計算式に基づいています。会社など営利企業にお勤めをしたことがない、
学生さんも、利潤の考え方は、直感的で分かりやすいと思います。
(そして営利企業に勤めたことのある方ならば、仕事時間のほとんどを
「なんとか利益」について考える(考えさせられる)ことが、仕事となるでしょう)
Calculator and Money / Images_of_Money
「事業部長」の立場で考えよう
あなたは、ある企業(営利会社)にお勤めし、新規事業の事業部長を任せられています。
社長からは、その新規事業について、次のような条件が、付けられています。
- 販売価格は常に同じ
- 費用は常に低くする
- 利潤が最も大きくなる生産量を見つける
また、あなたは、事業部長として、土地や設備などを購入するためのお金を扱う権限や、
労働力として、就職希望者を採用する権限も、持っています。
社長が提示した3つの条件を満たすためには、どうすれば良いでしょうか?
Always the business man. / Matt Erasmus
仮説に基づいて利潤をはかる
もし、管理人がこの会社の事業部長であれば、
社長に対して、「そんな新規事業はできません」と答えると思います。
(もっとも、こんな答えをすると、「クビ」にされるぐらい、自分の立場が悪くなるでしょう。
実務的には、「できるかどうか状況によります」と答えるのが、「おとなの模範解答」でしょう)
もちろん、そんな「正直な答え」をするのは、新規事業の内容や、
経費の具体的な数値を提示されていないという、技術的な理由に求めることもできます。
ですが、この場合、新規事業の「周りの状況」が、よく分からないというのが本当の理由です。
「周りの状況」というのは、抽象的な言い方なので、「需要」という言い方もできると思います。
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もちろん、企業(会社)は「供給」することが仕事で、
「需要」は相手任せになるので、それこそ「よく分からない」というものです。
従って、企業(会社)としては、「これぐらいの需要があるだろう」と、
「仮説を立てる」ことが、非常に重要になります。
その仮説を立てることなく、新規事業を立ち上げようとしたことについて、
「できません」としたことが、管理人の真意です。
では、なぜ、「仮説を立てる」にこだわるのでしょうか?
それは、その仮説上の需要によって総費用や、企業の「利潤」を大きく左右するからです。
(つづく)
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