限界費用逓増と限界便益逓減はワンセット
前回のブログでは、家康くんのマンツーマントレーニングについての、費用を分析してみました。
今回のブログでは、便益(収入)について考えてみましょう。
家康くんは、マンツーマントレーニングの指導報酬について、
1人ひとりの時間やニーズに合わせて、相対(あいたい)で決めています。
(1回○○○円と決めているわけではありません)。
忙しくても効果的なダイエットトレーニングを、
受けたいと思っている人にとっては、少々高い報酬を支払っても良いと考えるでしょう。
逆に、自由になる時間が多く、ある程度ダイエットについて自分で勉強し、
トレーニングができる人にとっては、それほど高い報酬を支払うことはないでしょう。
ALG_0496 / nikontino
限界便益(限界収入)の分析
仮に家康くんのお客さんは、マンツーマントレーニングについて、
1回あたり、次のような価格で報酬を支払いたい、と考えているとしましょう。
- 3,500円が1人
- 3,000円が1人
- 2,600円が1人
…etc
すると家康くんの便益(収入)分析は、このようになります。
マンツーマントレーニングの限界便益(限界収入)
また、この表をグラフにすると、指導の人数を増やせば増やすほど、
Y軸(限界便益)の値が低くなっています。この現象は、限界便益逓減という性質を表しています。
直感的な言葉を使うと、「やってもやっても余計に儲からない」という感じです。
マンツーマントレーニングの限界便益(限界収入)(グラフ)
限界便益逓増という考え方もある
もちろん、すべての活動において、「やってもやっても余計に儲からない」という
限界便益逓減の状態が、発生するわけではありません。
ミクロ経済学で、いわゆる「独占」と呼ばれる企業では、
「やればやるほど余計に儲かる」という状態が発生します。
(といってもある一定量の販売(生産)に限られており、永遠に続くというわけではありませんが)
また、個人レベルの活動になると、限界便益逓増という現象も見られます。
例えば「便益 = 面白さ」と考えられるスポーツなどは、その典型例です。
最初は、動きもぎこちなく、ゲームをしていてもあまり面白くありません。
しかし体力がついたり、動きに慣れてきたりすると、「面白さ」はプレーする量と比べて、
ずっと大きくなります。
ただし、ミクロ経済学を学習する上では、限界便益(限界収入)逓減の方が、
基本的な考え方になります。しばらくは、前回のブログで登場した限界費用逓増と
限界便益(限界収入)逓減とセットで覚えてしまいしょう。
(つづく)
【関連エントリ】
限界費用逓増の法則と微分 その5
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