おちゃらけミクロ経済学: 取引利益と総消費者余剰

2012年9月11日火曜日

取引利益と総消費者余剰

図で見て分かる総消費者余剰



さて、ここ数回ぐらい小麦とパンでブログネタを引っ張っております。
前回、その小麦を扱うパン屋さんが、感じる「超ラッキー!!!」について、述べていました。




ロールパン



小麦粉市場の個別消費者余剰の図




小麦粉市場の個別消費者余剰の図


この図で、「超ラッキー!!!」を感じているのは、次の3つのお店です。



  • ワロタ製パン 
  • ネトゲ加工パン
  • なう食品


「超ラッキー!!!」である個別消費者余剰は、青色の長方形の面積で、示されています。
そして長方形の面積の和は、総消費者余剰と呼ばれます。




総消費者余剰の正体その1




この総消費者余剰は次の原理を明らかにします。
総消費者余剰について、クルーグマン(経済学者)のお言葉を拝見してみましょう。




"ある価格水準で財を購入したときに得られる総消費者余剰は、需要曲線の下側で価格より上側の領域の面積に等しい。この原理は、消費者の人数に関係なく適用できる”
ポール・クルーグマン「ミクロ経済学」東洋経済新報社 P165 


総消費者余剰の正体その2


クルーグマンの引用を2つに分解し、
わが町の小麦粉市場に沿って、いっしょに考えてみましょう。



1.

"ある価格水準で財を購入したときに得られる総消費者余剰は、
需要曲線の下側で価格より上側の領域の面積に等しい。"<

→各店の個別消費者余剰の合計(総消費者余剰)、
つまり各店の 「超ラッキー!!!」 の合計は、
需要曲線と均衡価格の間にある部分に等しい




2.

"この原理は、消費者の人数に関係なく適用できる"

小麦粉市場は、わが町だけでなく、あなたの町にも、ジョンの町にも、太郎の町にもあります。
数え始めると小麦粉市場は、この世界に数えきれないくらい存在し、
小麦粉を必要とするパン屋さんも無数に存在します。



すると、各パン屋さんの、小麦粉に対する支払意欲額の差は、極めて細かくなります。
個別消費者余剰は、階段状のものではなく、滑らかな曲線になります。



なめらかな消費者余剰



なめらかな消費者余剰



なんか、この図何か見たことがありませんか?(笑)
(つづく)






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