おちゃらけミクロ経済学: 税金と死荷重

2012年9月3日月曜日

税金と死荷重

ぜいたく税のまとめ



今回のブログと合わせて、計4回シリーズで、
それぞれ、ヨット税ぜいたく税)の負担問題の材料を揃えてきました。



税金とクルーグマン
税金と副作用
税金と価格弾力性



ヨット市場の需要供給の法則




ヨット市場の需要供給の法則





上の図では、傾きが異なる需要曲線と、供給曲線が、描かれています。
ヨット市場の需要供給の法則に、政府の税収死荷重(くさび)を当てはめてみましょう。




ヨット市場の死荷重




ヨット市場の死荷重





需要者側の死荷重は大、供給者側の死荷重は小




需要者側(ヨットを買うお客さん)と供給者側(ヨット製造業者)では、
政府の税収死荷重の大きさが、ずいぶん違います。




需要者側は、ヨット税がかけられたとしても
他の海外旅行や大きな住居など他にいろいろと消費できるもがあります。
そうなるとヨットを消費することなく、ヨット税の課税対象そのものがなくなります。



"ところがその税収は期待していたよりはるかに少ないわずか700万ドルだった。税収が少なかった理由は、アメリカの10万ドル以上のヨットの売上が71%も減少したからだった"


ポール・クルーグマン「ミクロ経済学」東洋経済新報社(P184)より引用




こうなると供給者側は大変です。そのときの様子がこのように、述べられています。



"ヨットへの課税は主としてヨットを製造する企業と労働者に負担をしいる。(中略)奢侈(しゃし)税は金持ちより中流階級により大きな負担がかかる"



グレゴリー・マンキュー「マンキュー経済学第2版Ⅰ」(P181)より引用



税金と死荷重の応用




この一連の「税金は誰の負担か」シリーズで重要なポイントは、次の2点です。



  • 税収以外も税の負担に含まれる(ヨット事業者の売上減やそれに伴う失業)
  • 非弾力的な(代替がきかない財への負担)は大きい


社会全体にとって、負担が少ない税というのは、
需要者にとっても、供給者にとっても、弾力的な財への課税が望ましいということでしょうか?






何かと敬遠されがちな税金ですが、それを逆手にとって利用することもできます。
具体的には、未成年者への喫煙を減らすための課税とか。







喫煙




何でそんなことが言えるかって?それはまた別の機会でお話しましょう。
see you agein.....(/_・、)/~~









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