教育委員がたばこ消費税のUPを申し出
わが町の教育委員として、
生徒の喫煙問題を担当することになった
あなたは、役場の財政課の課長に、たばこ消費税の税率UPを申し出ました。
しかし、たばこ消費税のを税率を上げると、
タバコ会社から突き上げをくらって、議会で同意されないという理由で、難色を示されます。
(前回のブログ)
たばこ消費税の狙いとは?
そこであなたは、財政課の課長にグラフを差し出しながら、具体案を示します。
あなた:「たばこの依存性の高さを逆に利用するんだ。
未成年者にとって、たばこの需要曲線は、非弾力的で急な傾きをしている」
課長:「ふんふん。なるほど」
あなた:「一方にたばこ会社の供給曲線は、たばこを海外で販売したり、
成人に対しても販売できるので、相対的に弾力的だ。
供給の傾きは非常に緩やかなものとなる」
(たばこ市場の需要と供給の法則)
課長:「ひょっとして、委員は、税率の上昇による価格の負担は、
たばこ会社ではなく、需要者である生徒に負担をさせるおつもりですか?」
あなた:「そうだ。各校での個別の対策は限界に来ている。口で言うよりも経済学で
いうところの死荷重を、喫煙生徒に、実際に感じてもらうことにする。
その他、町の税収となった分は、喫煙による健康被害対策のために
使うことにすれば、一石二鳥だ」
(たばこ市場の死荷重)
ペナルティーとして税金を活用
このあと財政課長が、たばこ税の税率を上げるための、
議案を草案したかどうかは、定かではありません。
ただ、あなたが考えた方法は、弾力性と死荷重のマイナス面を、逆手に取る方法です。
死荷重を、負担に感じるからこそ、喫煙者が、自発的に喫煙量を自発的に減らすという発想です。
本来、需要してほしくない未成年の喫煙者に、
「ぜーきん」の負担を押し付け、タバコを買うことそのものを、
あきらめさせようとしているのです注)。
なおかつ、 「ぜーきん」によるの増収分は、
喫煙者の健康被害対策に使うということですから、一石二鳥の方法。
まさに税金の有効活用、Tax Hack!です。
これであなたも教育委員長どころか、
次の町長選挙に出馬できるかもしれません(笑)
※たばこの値上げ(課税)は、成年者よりも未成年者に、重い負担がかかります。
"たばこの価格が10%上昇すると、需要量は4%減少するという結果が報告されている。
なかでも、10代の若者がとくに価格の変化に鋭敏に反応することも発見された。
10代の若者については、価格が10%上昇すると、需要量は12%も減少する"
グレゴリー・マンキュー「ミクロ経済学第2版」東洋経済新報社P103
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