おちゃらけミクロ経済学: 比較優位と取引

2012年9月28日金曜日

比較優位と取引

自由貿易の利益について考えてみよう




前回のブログで、「他人のカネで生きているアメリカ人に告ぐ」という本の引用を用いました。
そこでは、「なぜ自由貿易をすると利益が発生するのか?」というところで記事を終えました。
「おちゃらけミクロ経済学」で、おなじみの思考実験と作図で考えてみましょう


漂流者の食料集め




ある絶海の小島に2人の男が、漂流してきました。
2人の名前は、ロビンソンと吉之助です。









何の食料も持たずに漂流してきた2人にとって、さしあたって必要なのは、食料です。
周りを見渡すと、島にはバナナの木が自生し、周りの海には、魚がたくさん泳いでいます。
漂流して、数日間、2人とそれぞれバナナの実と魚を取って、食料としていました。




漂流者の食料集めを詳しく見てみよう




丸1日分の労力を使って、2人がおおむね確保できる食料と消費の状況を、
表とグラフにすると、以下の通りになります。




食料の確保量と消費量







ロビンソンは、魚捕りだけに専念すると、1日で80匹の魚を捕まえてくるようです。
バナナの収穫だけに専念すると、1日で60房のバナナが収穫できます。
魚が好きなロビンソンは、1日あたり魚56匹、バナナ18房、を集めるようになりました。





ロビンソンの食料の確保量と消費量



ロビンソンの食料の確保量と消費量




吉之助は、魚捕りだけに専念すると、1日で20匹の魚を捕まえてくるようです。
バナナの収穫だけに専念すると、1日で40房のバナナが収穫できます。
バナナが好きな吉之助は、1日あたり魚12匹、バナナ18房、を集めるようになりました。




吉之助の食料の確保量と消費量


吉之助の食料の確保量と消費量



比較は絶対数が行うべきか?



これらの表を見る限り、バナナの確保量も、魚の確保量も、吉之助の方が少ない状態です。
どうやらロビンソンは、吉之助と比べてサバイバル能力がとても高いようです。




ということは、これからロビンソンは、島のどこかに姿をくらまして、
1人で、バナナの収穫と魚捕りをしていく方がよいのでしょうか?
その方が、食料の少ない吉之助に足を引っ張られることもなく、サバイバルできそうな感じです。
ですが、そんなことはありません! ハズレ( ̄x ̄)乂ブッー!




ロビンソンは、吉之助と取引(交換)をすることによって、
1人で暮らすときよりも、多くの利益を得ることができます。

(つづく)






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