1人で暮らすべきか?一緒に暮らすべきか?
前回のブログで示した、絶海の小島に漂流してきた、
2人の食料の調達状況を、再度確認してみましょう。
食料の確保量と消費量
この表を見る限り、ロビンソンは、吉之助と一緒に暮らすよりも、
1人で暮らしていた方が、絶海の小島でサバイバルできそうです。
ロビンソンにとってみれば、その方がバナナも魚もたくさん確保することができます。
わざわざ、吉之助と分け合わなくても、より多くの食料が確保できそうだからです。
しかし、経済学的な見地からすると、
ロビンソンは、吉之助と暮らした方が、より多くの利益を得ることができます。
集めるだけでなく取引することを考えてみましょう
冒頭で触れた表を拡張してみましょう。加える条件は2つです。
- 「食料集めは、魚とバナナのどちらか得意な方に特化する」
- 「食べきれない食料は取引する」
食料の確保量と消費量(取引した場合)
取引による利益の説明
ロビンソン(魚捕り→×バナナの収穫→○)
- 魚
80匹が最大確保量となり、うち56匹は従前通り自分で食べる。
20 匹 は吉之助に渡す。4 匹は利益分とする。(80匹-56匹-20匹=4匹)
- バナナ
自分では確保せず、吉之助からバナナ20房をもらう。
18房を自分で食べて、2房は利益分 とする。(0房+20房-18房=2房)
吉之助(魚捕り→×バナナの収穫→○)
- 魚
自分では確保せず、ロビンソン から魚20匹をもらう。
12匹を自分で食べて、8匹は利益分 とする。(0匹+20匹-18匹=8匹)
- バナナ
40 房が最大確保量となり、従前通り16房は自分で食べる。20房は吉之助に渡す。
4房は利益分 する。(40房-16房-20房=4房)
機会費用と比較優位
ここで重要なポイントは、2人が、得意分野の食料を、取引していることです。
取引をすることによって、従前の量よりも、多くの食料を確保ていることです。
これを取引による利益といいます。
この一連の現象について、経済学的に丸めてみると、次のような表現になります。
「ある個人にとって、ある財の機会費用が他の人びとより低いとき、
その人はその財に比較優位を持つ」。
(つづく)
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